4F BOXの中に詰まっているストーリー

製本の面白さや製本工場を多くの人に知ってもらおうと始まったFactory 4F。2014年から始まり今年で4年目。私はこのFactory 4Fのプロジェクトをきっかけに入社したので私も4年目に突入。

 

ここ最近、私の中で今までを振り返る機会が多々あります。

そこで突然ですが、4F BOXの生い立ちのお話をしたいと思います。

 

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4F BOXはもともとファクトリーツアー(工場見学)に来てくださったお客さんへのお土産案として考え出されました。

 

前から篠原紙工では印刷会社の営業さんや案件を相談しに来たデザイナーさんを工場へ案内する事があり、中には見学だけを希望して、わざわざ足を運んでくださる方もいました。その度に弊社の営業さんが過去の制作事例をサンプルとして用意したりしてそこそこ時間をかけて会社を案内していたのです。

 

そこでFactory 4Fを立ち上げる際、これを機にファクトリーツアーとして毎週水曜日開催で有料にしても良いくらいにしてはどうだろう?と案が出ました。有料にするからには篠原紙工で量産できるユニークなものをサンプル集にしてお土産を充実させよう。という事に。

◎ファクトリーツアーはこちら→Factory 4F - Event

 

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*12種類のサンプル集。全て量産可。どんな機械を使っているか、など解説集付です 

 

Factory 4Fの立ち上げの際にも協力してくれた 株式会社オールライト Allright がサンプル集の制作にも協力。着々と出来上がったのですが、完成品は想像以上に立派なサンプルBOXに...なってしまいました。

お土産として差し上げるにはちょっと大袈裟かも....?となり、ならば販売してみたらどうだろうか?となったのです。

 

その後、4F BOXは篠原紙工でできる制作物を紹介する際に使用。そしてファクトリーツアーのお土産は別のモノを用意。(見学に来てくださった方はご存知かと、ひと工夫されたメモ&鉛筆です)

 

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私たちとしては4F BOXは印刷会社の営業さんやデザイナーさん、紙にまつわるお仕事をされている方に仕事のツールとして役に立つ事が願いでした。その結果、少しでも製本の面白さが色んな人に伝われば、という思いも込めて。

 

今から思うとあの時の篠原紙工は紙の需要が無くなりつつある今、製本会社自らが自分たちの価値を発信しなければ、という思いで必死だったようにも感じます。

 

それは今も変わらず試行錯誤だけれど、当時はたくさんの外部スタッフも協力してくれて、みんなで知恵を出し合って篠原紙工という会社を4F BOXの中に表現していました。

 

 

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そして、この4F BOXやFactory 4Fのプロジェクトを機に篠原紙工では様々なドラマが繰り広げられ、今日に至っております。立ち上げ当初の目的とだいぶズレが生じていたりしますが、目の前にある課題や変化を恐れない行動の結果が良くも悪くも今の篠原紙工(=Factory 4F)なのかと思います。

 

….と思うとかなりストーリーの入ったBOX。なんだか持っただけで重そう.....

 

しかし、

 

何かを作り上げる際というのはそういう強い良いエネルギーが込められている事が大事だと思います。

 

工場直販はもちろんですがネットで販売も始め、細く長くですが皆さんの手元に届いていると思います。皆さん、どのように使っていただいているのでしょうか...?何かのお役に立てているならば本当に幸いです。

 まだお手元に無い方はぜひSTORESを覗いてみてくださいね。

 タブチ

 ◎4F BOX STORES 

factory4f.stores.jp

 

 



ご存知ですか?パッド印刷機 「なんでもくん」

先日、足立区の江北(こうほく)にある印刷会社 安心堂さんへ行ってきました。おそらく?初めて乗った日暮里舎人ライナー。車内はこじんまりとしたいい雰囲気でこれから伺う印刷会社の地域がどんな様子かを想像しました。

住宅街の中を歩いて行くと入り口がちょっとオシャレな建物を発見、そちらが安心堂さんです。ここでは試作工場という名前でフリーランスや個人の方が気軽に印刷機を使えるように会員制で工場を公開し、シルクスクリーン印刷とパッド印刷が使えるようになっています。はて....パッド印刷という印刷機、私は聞いたことも見たことも、まったく存じませんでした。

 

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*こちら、なんでもくん

 パッド印刷とはシリコンでできているパッドを使用し、凹版からインキを拾い、転写する印刷方法。

シリコンゴムで柔らかいから曲面にも印刷できるというのが特徴。例えばコーヒー屋さんのプラスチックカップとかボールに印刷できたり(すごく柔らかい、版は付いていないゴムハンコ、と考えると分かりやすいですかね?)

 

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*↑版にインキを引きます

 

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*小さくてみえないかな?パンダの絵柄。水色のがシリコンパッド

 

一緒に見学に行った方々は皆さん印刷に詳しい方ばかり。パッド印刷はもちろん知っているよ、という感じで、私にこの印刷機が理解できるだろうか…とちょっと不安の中、会長さんのお話が始まりました。

 

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*ブニーっと押します (お箸に印刷させてもらいました)

 

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*お箸に無事に転写

 

実は暑さのせいか頭がもうろうとしていた私ですが、会長さんのエネルギッシュなある言葉で目が覚めました。

 

「色々厳しい世の中かもしれないけれど、アイデア次第でいくらでも仕事はできるしニッチなところにこそ面白い仕事は溢れているんですよ」とおっしゃっていました。勇気溢れる言葉だなぁ、と思いました。

 

「世の中には隙間がいっぱいあるんです」と。この言葉の裏にはお客さんがどんなことを必要としていてどういうサービスを提供したら喜ばれるか、ということを追求してきた方が言える言葉だと思いました。毎度のことですが私はその会社で仕事をする方々の心意気に注目してしまいます。私はこの会長さんの仕事に対する姿勢、考え方、そしてアナログさを上手く活用するユニークさに魅かれました。

 

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*安心堂の会長さんであり特殊印刷 技術部の丸山さん 

 

そして会長さんがエネルギーを注いだ結果の製品が手動式小型パッド印刷機『なんでもくん』(いいネームング)どんな物にでも印刷しちゃいます。印刷って紙だけではなく、私たちの身の回りには数えきれないほどあって、知らず知らずのうちにいろんな情報が印刷という手法で私たちの思考に入ってるのだな、と思いました。例えば、誰かが街でアイスコーヒーを飲んでたとしてふと、そのカップを見てドトールなのかスターバックスなのか、という一瞬の判断も一つの情報手段ですよね。あっ、今日はドトールに行こう、と無意識にお店に行ってるかもしれません!これだって印刷がなければこうならないかもしれない。

 

 

そして印刷することで付加価値が増すものはたくさんあります。あまり深く考えたことはなかったけれど、確かに製品を作って最後にラベルや印刷を施すだけでグンとその商品が魅力的になったり仕上げの意気が吹き込まれたようになります。「できた、完成、誕生!」という、あの感じ。安心堂さんの工房の雰囲気やお話を聞いていると子供の頃、ものを作った時の喜び、みたいなものが鮮明に蘇させられるような気持ちになりました。

 

 

子供の頃は言葉にはできなかったけれど制作した時の喜びって達成感だけでなくておそらくその先の誰かに喜んでもらいたい、という気持ちも無意識のうちにあったのかもしれません。作ったものを誰かに褒めてもらったり、プレゼントして相手に喜んでもらったり、誰かの役に立ったり。究極のところ大人になってもその喜びの本質は変わっていなくて大人になるとそれを仕事ということを通して喜びを循環させているのかもしれません。

 

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*なぜか窓枠のサッシに印刷、これはより小さい小型パッド印刷機「どこでもくん」だと可能 

 

デザイナーさん達から生まれたせっかくのアイデアを1枚からでも印刷して形にしてあげたい。安心堂さんは機械を開発してデザイナーさん達やそれを必要とされる人に喜ばれ、デザイナーさん達はまたその先のクライアントに喜ばれ、改めて私たちは誰かの役に立ったと感じられた時に何というか、幸福感みたいなものに包まれて、そしてまた頑張ろうと思えるのだと思います。

 

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*こんなモノ達に印刷できます

 

機械を開発しちゃうなんてすごいなぁ〜、どんな才能の持ち主がやるんだろう、と完全文系の私はよく憧れるのですが、何かの才能に優れている、というより誰かの役に立とう、と考えてれば結果、才能みたいなものは開花するのかもしれません。手の届かない憧れる才能よりも自分の持ってるものを最大限に目の前の人に使えば才能クンはやってくる。私もどこかの隙間で誰かのお役に立てていれば幸いです。

 

Factory4F タブチ http://factory4f.com/

 

 

往復封筒を作っている杉山紙工所さんへ行ってきました

 先日、封筒を専門にしている杉山紙工所さんへ工場見学に行ってきました。印刷会社、製本関係の工場へは何度か行ったことがあるのですが、封筒専門の会社さんとその工場とはどんな様子だろう....?

 

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*古い機械での(抜き)作業をしています

 

埼玉の町工場がたくさん集まる地域、なんだか篠原紙工と同じようなにおいがする杉山紙工所さんへ到着。入り口には篠原紙工からお願いした案件の刷本が入ってました。無事に良い製品になりますように、と願い。こうやって実物が他会社さんにあるのを見ると改めていろんな方々と協力して一つのものはできているのだなと実感します。

 

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杉山紙工所さんはご兄弟で経営されていてお兄さんが営業、弟さんが工場長、現場も社員さんが数名、こじんまりした工場でした。現場には若い方と大ベテランの職人さんもいらっしゃりこの間でどのような技術の伝承がされているのだろうか…そんなことを考えながら工場見学をさせてもらいました。

 

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 *杉山さんご兄弟

杉山紙工所さんでは特殊な封筒を数多く手がけており、工夫ってやっぱりすごい、と思うような仕様の封筒もたくさんありました。例えば、招待状などを封入するためデザイン性や美を求める封筒の受注もあり、その場合はイレギュラーな大きさや形、レーザー加工を施すような工程も行っています。手紙だからこそ封筒にも美しく表現をしたい、というお客さんの願いを形にしてくれています。

 

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*デザインの引き出しより

 

私が無駄もなく実用性も兼ねていていい!と思った実例は往復封筒。例えば送られてきたものに対して送り返す必要のあるやりとりのあるもの。アンケートやDVDの返却、願書や申込書類などには往復封筒がついていると思いますが、杉山紙工さんの開発した封筒はエコ封筒と題して送られて来た封筒をそのまま送り返せる工夫がされています。1枚の封筒で送り返す事のできるような封筒の型作りやお客さんに分かりやすいように説明も書き加え、現実的な郵便局側とのやりとり、などなど、現実化するまでには色々と道のりはあったようですが工夫が満載の1枚です。

 

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*実用性のある往復封筒、もう一方はレーザー加工された封筒

 

1枚の封筒で返信もできるという紙での情報のやり取りの考え方が知られればもっと需要も増えるかもしれないですね。紙や経費の削減にもつながり、環境にも良い!私個人としては世の中全体がいつも新しく、きれい、だけでなく必要最低限ということを今一度考える、そういうところにも意識が向くといいなと思います。

 

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*往復封筒のロゴ

 

そして同業者でよく出る話題も持ち上がりました。印刷、製本、紙の業界、その中にはもちろん封筒業界も含まれていて、この先どう発展させていけば良いか!という課題です。これについて頭を悩ますのはどの会社も同じようです。私もこの話題になるとウーン、と考え込んでしまうのですが、今のところの答えは「ここの人(会社)に仕事をやってもらいたい」と思ってもらえるような人、会社になる事かなと…。

 

 

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*封筒のり付け作業の様子 

 

作られた製品、物質やコストだけでの満足度では限界の社会になってきている事はどなたも気づき始めていると思います。どこでやっても大差がないのであれば細かいところに心遣いが見えるところがある会社と仕事したいはず。もしくはこの会社と仕事すると何だか気分がイイ、とか。弊社でも封筒の案件を扱うようになったのは杉山紙工所さんがいるからだと。篠原曰く封筒加工について質問するとすぐ答えが出てくるし、一つの事に対して他のヒントも色々得られ、案件がスムーズにいくからだと。気分よく仕事ができる会社、というのがこれからますます大事になってきそうです。

 

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*何だかこの機械の全体像、良いです

 

大変ありがたいことに 「篠原さんのところのみたいに発想力があれば…」という言葉をよく頂きます。私は技術部門ではありませんが一社員として思うのは発想力、というか「○○であるべきだ」という壁を作ってない事が結果、発想力になっているようにみえます。「なんで?」というのがキーワード。できない→なんで? こうしたらダメ→なんで? 子供の問答のようですが言われるとドキッ、とする時があります。そうだよね、なんでだろう…と。

 

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*のり入れの部分、のりを扱うにも関わらず機械がとてもきれいに維持されていました

 

私たちは知らず知らずのうちに固定観念ができていきます。親、友人、学校、社会、流行、会社に入ればその会社、はたまたその業界……….数えればきりがありません。私たちには共通の固定観念があるからこそ社会が動いているということも事実ですがその中で生きていても柔軟な考えを持って工夫して仕事に取り組めれば何かしらの結果に繋がってまたその結果が発展ということになるのではないでしょうか。

 

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仕事だけでなく、日常生活の中でも自分が勝手に思い込んでいる固定観念を一度見直してみると仕事に対して何か良いヒントが生まれるかもしれません。

 

簡単な例だと、毎日3食は体に良いのだから、お腹がすいてなくても食べなくちゃ→本当に?とか。常識より身体に聞くとかね...(極端ですかね)

 

何だか話がだいぶ飛んでしまいましたが、そういうのを見つけて時々ぶち壊してみるのはいかがでしょうか。まずは小さな固定観念をみつけてみて壊す練習....おススメ致します。

 

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「ネットde手帳工房」記者会見の様子、とその裏ストーリー

先日、キャノンITソリューションズ株式会社さんが開始した「ネットde手帳工房」という新しい手帳サービスの記者会見が行われました。印刷はサンコーさん、製本は篠原紙工、という3社の協力のプロジェクトです。

 

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このネットde手帳とは、手帳の中身を自分仕様にカスタマイズして自分だけのオリジナル手帳を作れるというシステム。

例えばマンスリーのカレンダーを15ヶ月分、自分の都合の良い月で始める、誕生日や会社の休みの日をあらかじめ入れておく、まるで自分の本を作るような手帳サービスです。

 ◎詳しい内容はこちらを→ネットde手帳工房

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* ネットde手帳工房の一例。右のは篠原紙工の仕様でサンプルを作りました

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 *こんなふうに「私の誕生日」とあらかじめ組み込む事も可能!

 

キャノンさんのプレゼン中、ちょっとした世の手帳の流れを知りました。手帳とは90年代くらいまでは会社や企業からもらうもの、2000年以降、徐々に工夫されたものが増えしばらくは選ぶ時代、今も続いております。

そして2017年以降、手帳は自分で「デザインするもの」「ネットde手帳工房は手帳販売の常識を変えます!」というキャノンITソリューションズ小野さんの大々的な言葉がとても印象に残りました。

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*キャノンITソリューションズの小野さん、とてもユニークな方!本番はかなり緊張している様子でした

このプロジェクトの背景には色々と心に残ることがあるのですがその一つはキャノンさんの方々がとてもユニークで、このネットde手帳も有志で集まった社員が動かしたプロジェクト、ということ。

キャノンといえば日本を代表する企業、お堅い感じで着々と仕事をこなす方々なのかと勝手に想像していたのですが篠原紙工へ工場見学来た際、とてもフレンドリーで積極的にジョークも飛び交う、というような感じで正直ちょっと驚いてしまいました。

 私の中の大企業=お堅い、というステレオタイプな固定観念もくずれ、こんなにエネルギーあふれる感じの方々がやる仕事なのだからこのプロジェクトは上手くいくだろう、と名刺を交換しながら思い直したのを覚えています。どんな人たちがどんな思いで仕事をするか、ってやっぱり重要です。 

 

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*株式会社サンコー 経営企画室の有薗さん。こういう場でも一つも緊張も見られず、プレゼンもスムーズ....いつもスマートだなぁ、と憧れます。

 

そもそもどうして篠原紙工がこの仕事に関わったか?

このネットde手帳はオーダーメイドのため一人一人印刷内容が異なることから、即座に受け入れてくれる印刷会社さんがいなかったそうです。そして製本も平置きしても閉じないという条件を満たすところを探していたところ巡り巡ってサンコーの有薗さんのところへ印刷の話が入り込み、製本は篠原紙工へ、という流れになったのです。

 

 

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*持ち時間3分のプレゼン、篠原にとっては一番難しい課題だったのでは(もっと話したい...の方です) 

 

サンコーの有薗さんと、弊社の篠原、タイプは違いますが印刷会社、製本会社の2代目の下町育ち、今は会社を動かす立場。共通点が多々あり、二人を観察していると仕事に対する気質が重なる部分があるのかなと思います。印刷・製本業界の先を(愛情を持って)考えていて、そのためには多少のリスクをも覚悟で新しいことにチャレンジするし、中小企業ならでは? かもしれませんが思ったら動く、とにかく自由に実験的にやってみるという、大企業とは質の違うタフさみたいなものがあるように見えます。

 

◎サンコーさんの新しいHP 株式会社サンコー|印刷・WEB・デザイン

 サンコーさんのブログもぜひご覧ください![前編] IT企業と町工場の強みを結集した新たな手帳サービス「ネットde手帳工房」記者会見レポート! - サンコー:企画-DTP-印刷

 

なのでこの二人が一緒だと「何をするのだろう….」と静かに観察しているのですが今回はもう一人、このネットde手帳工房の担当者である小野さんが有薗さんと篠原にマッチしているメンバーとなっていました。端的に言うと、この3名の気が合っていてとてもスムーズに話が進められていたのです。

 

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*こちらは後半、文具愛好家さん達を集めたブロガーミーティングの立食パーティでの小野さん...文具仲間の間ではヘルメット着用

 

小野さんは今回のこの仕事はもちろんですが純粋に文具が好きというエネルギー溢れるユニークな方です。きっと色々と規制も多いと思われる大企業の中で新しいことをここまで進めることができたのはやはり情熱と小野さんの人柄なのではないかな、と思いました。

大きな組織が町工場と協力して新しい事業を立ち上げ、大、中小企業関係なくwin-winの関係で仕事ができるって理想です。お互いの分野を最大限に出し合い、横並びで走る仕事ってありそうで、、、ないかも?

 

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篠原曰く、「この案件、どこの印刷会社や製本会社でもやろうと思えばできるはず。仕事内容に比べて割に合わないと一見思うかもしれないけど、そもそものこの仕事の回し方にプラスひと工夫をしてこちらから条件や提案を出してみたら良い仕事になると思って。」と….。

 

不都合な時こそ柔軟な発想力。どうしたらそんな発想が思い浮かぶ?とも思うのですが、恐らくどんな仕事の進め方が理想か、どんな関係性が大事かをいつも心と頭に置いているからそういう発想が生まれるのかもしれません。そうじゃなかったら….目先のことだけで仕事の受ける・受けないの判断をしてしまうかも。改めて自分の働く会社の方針を再確認した気がします。

  

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 *篠原紙工ではドイツ装にして使ってる人も、ちょっとボロボロ感が出てるモノもありますが紙の味が出てます

このネットde手帳工房が今後より多く世に広まり手帳業界の常識が新しいものに生まれ変わったらどうなるのだろう...手帳は各自で作るもの。想像を超えて面白くなりそうです。今後、各社の担当者も変われば仕事の回し方にも変化は出ると思いますがこの良い出発点を原点として3社にとって、ユーザーや手帳業界にいい流れが生まれることを願っています。

 

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北海道 イコロの森のご紹介、自然との関わり方

こんにちは。

 Factory 4Fではこの夏に北海道に出張ワークショップに行く事になりました。

 事の始まりは私の学生時代の友人(ランドスケープデザイン専攻)が北海道にある『イコロの森』http://www.ikor-no-mori.com/ という森でガーデナーをしており、彼女は森の世界、私は本の世界で、とお互いの仕事に興味を抱いていたところ、「イコロの森で製本ワークショップしませんか?」の声をいただきました。

 

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*HPの写真も素敵なのでぜひ見てみてください  イコロの森 | 森の庭へようこそ instagram も素敵です https://www.instagram.com/ikor_no_mori/

◎4F ワークショップの紹介はこち【イコカル】製本ワークショップ:ポケットBOOK | イコロの森 

 Factory 4Fの背景にはいろんな方々に工場に来てもらい、製本を知ってもらうというのが目的の一つでもありますが イコロの森さんも色々とイベントをやる目的の一つとして、人々にもっと森に来てもらう、植物や森のことを知ってもらう。というのがあるそうです。

  HP等を見る限りではすごく素敵でたくさん人が集まりそうなのに!北海道は豊かな美しい自然に既に囲まれている…自然が目の前にあるのだから人々はわざわざ森に行かないのか?

 

でも東京に住んでる人の目はもしかしたらちょっと違うかも….

 

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*photo:イコロ 緑が繁ってます

 

この森でのワークショップの話を仲間に話したところ「ちょうど森に行きたいなぁ、なんて思ってたんです。この仕事します。」「仕事じゃなくても個人でも行きたい。自費でもいいから実行したい。」と即答即決でした。

 

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*photo: イコロ  秋11月の霧の朝の様子!

 

イコロの森ではガーデンを案内する際に「 森の庭にようこそ 」と伝えているそうです。ガーデンというと皆さんイングリッシュガーデンを思い浮かべるかもしれませんが、イコロは北海道ガーデン。

「森の庭」という言葉、何だか一瞬、考えさせられる言葉だと思いませんか?

 私の中で北海道=自然、というイメージはありますが、これだけ森の自然に囲われているガーデンは北海道でも珍しいそうです。そして北海道という環境に適した植物、寒さや雪に耐えられる植物たちが集まった森がイコロ。

 

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*これはイングリッシュガーデン...ではありませんが英国スコットランドの野生のウサギ。都市でもこんなかわいい動物に出会えます。英国でピーターラビットの物語が生まれるのが理解できます。

 

そして私の友人の言葉が私の心を動かしました。 メールでこの言葉を受け取った際、すごく静寂というか、何とも心地よいというか、そんな気分に。

 ここは彼女の言葉をそのまま。

 ”イコロはアイヌ語で「宝物」という意味で、いわゆるガーデンおばちゃんの好きな度派手な華々しい所ではないけれど、ちいさい宝物がいっぱいある、と私は思ってます(笑)

芝生でゴロゴロするのもよし、ゆっくりお茶飲んで読書するのもよし、スケッチするのもよし、望遠レンズかついで写真撮影するのもよし。

カフェをやり始めたのも、あまり植物に興味のない人も1日イコロで過ごせたらいいな、って。きっと東京の人は好きだと思うけどなぁ。”

 

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*photo:イコロ 

 

東京の人

私もその1人。自然にふれあうとは?と考えてみました。

 東京は便利で何でも早くて楽しい事もたくさんあるけれど、無音もしくは静かに自然の音だけに包まれるという環境を作るのは難しい....と思う事があります。

 例えば私の家、静かなアパートを選んだのですが、それでも家でぼーっとしているといろんな音が聞こえるのです。車、バイク、自転車を駐輪する音、誰かの足音、工事、酔っぱらい、ドアを閉める音、ちょっとした生活音がたくさん。そして私も出していて。

 小さな事だけれど平日と週末では音が違っていて平日はやはり世の中が動いているので音もたくさんある気がします。一番静かだと感じるのは日曜の早朝。一週間の中で一番静かじゃないかな。

 

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*photo:イコロ 中のフサフサしてるのが花だそう

 でも自然の音というのは気にならず、むしろ心地よく感じます。朝はチュンチュンと鳥が鳴いている音は本当に心地よくて私なりの東京での自然との触れ合い、感じ方です。アパートの窓からは建物しか見えないけれど鳥が近くに来ると嬉しくなってしまいます。もう隠居の域でしょうか?

 ある意味 東京だとこうした喧騒の中ガヤガヤしつつも、ふっとした瞬間の静寂や自然がひょっこり現れるのが楽しくい。ふと、我に返らされ、そしてより自然への感謝の念も出てきます。やはり自然とは人間にとって必要なのですね。

 

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*photo イコロ  セダム マトロナというお花

 

こういう事に気がつくようになった自分の変化もおもしろいのですが、

自分にとって何が心地よくて何が必要で不必要か、どんな事を大切にしたいか、いわゆる自分の軸みたいなのができてくると何に対しても感覚が鋭く敏感になるのではないかと思います。

 私の場合は一つそれが音という形であらわれましたが、みなさんの中にも何か自分だけにしか分からない変化ってありませんか?

もし見つけた場合はその感覚を無視しないで一体これは何だろう?と考えながら大切にしてみてくださいね。

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印刷会社の後継者の方々に向けてのセミナー...というよりメッセージ!

みなさんこんにちは。

先日、日本プリンティングアカデミー(JPAhttp://www.jpa.ac.jpという印刷会社の後継者を育成する印刷専門学校で篠原がセミナーを行い、その一環で今度はJPAの生徒さんが篠原紙工の工場を見学ということで皆さん大雨の中来てくださいました。

 生徒さんは20代、30代と若い方々で会社を継ぐ前に違う業種についている方も多く、現職でもとても充実したビジネスライフを送っている方も多いとか。

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*日本各地から集合したJPAの生徒さん達

 そんな方々の中、第一回目のJPAでのセミナーの初めに篠原は『自分の会社を喜んで継ぎたい思ってる人〜??』となんとも単刀直入に聞いたらしく、そして驚く事に全員が、実のところ喜んで継ぎたいわけではない...の答えだったそうです。

 篠原自身もかつてその1人だったのでその気持ちがよーく分かるようで『その答えを待ってました〜!』と言わんばかりに普段の炸裂トークが始まったのでは...と私は想像しております。

 

実際のところ先行き不安な印刷、製本、紙業界で喜んで働く若者はいないかもしれませんがそういう傾きかけたところにも新しい価値を作り出す事に情熱さえ感じればきっと道は開ける、しかもそれが自分の会社ともなればある意味ではいろんなチャレンジができるのだから諦めず、失敗を恐れずに勇気をもって!ということを伝えたのだと思います。(熱いですね)

 

篠原紙工も工場をオープンにするのをコンセプトにFactory 4Fを始めたり、通常の仕事でもリスクを抱えながらも未知なことにチャレンジしている会社だとつくづく思います。 

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 *プラッターに立って断裁の説明

 篠原は工場見学にいらっしゃった生徒さん達に向けて技術的なことや機械をどれだけ持っている、というような内容の話よりも経営者としての新しい仕事の考え方、自分がどんな事をして生きて行きたいか、その上で自分の会社をどう回すか、というような感じの話をしていて、ふと、「この話って、印刷製本業界に限らず、どんな人にでもいえることだよなぁ....」とあらためて考えました。

 

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ものすごいスピードで変わる世の中、きっとこの先どうやって生きていこうと悩む人も多いはず、でも自分がどう生きて行きたいか、その上でどう働きたいか、という事が分かってくるとどんな仕事でもやりがいは生まれて来るのかもしれない。そして結果、生きて行く為のお金もついてくるのかもしれない。

 

それがむつかしいのだよぉ.....

という声が出てくると思いますがそこもやはり、諦めず、試行錯誤しながら行動していくのが一番の近道なのかな、と思います。

 少しでもJPAの生徒さん達が勇気とワクワク感に溢れた時間が過ごせた事を願います。

 

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祭りの後

4Fes! 2017 が終了したとたんゴールデンウィーク。そして通常の日々が戻って参りました。ご来工場していただいたお客様、本当にどうもありがとうございました。そして協力してくださったゲストの方々、個人の方々、企業の方々も心より感謝しております。

 

3回目ということで社内全体でも少しだけ慣れた?感じがあり、一人一人が余裕を持てたのかな?と思います。私自身もイベントでの予測ができるようになりました。何でも続けてみないと物事というのは分からないですね。

 

4Fes!は特別な日ではありますが篠原紙工の社内で日々起こる出来事と全て繋がっていて良いことも悪いことも全てがいろんなところに表れるな、4Fes!を一人振り返ってそんなことを考えています。

 

バンダナを自宅で洗濯するのが恒例になってますが祭りの後の静けさと言うか、終わった安堵感と同時に、風にゆられるオレンジ達が私をちょっと寂しくさせます。

 祭りもいいけど、やっぱり日々の積み重ね、愛おしい時間です。

これからも皆さん、篠原紙工/Factory 4F をよろしくお願い致します。

 

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