来る人にワクワクを与えるファクトリーツアー

ファクトリーツアーを続けて約5年目、工場での仕事内容や人員も変化し、それはファクトリーツアーにも少なからず響いています。

しばらく別の社員が案内していたのですが、ここ最近は再び私が案内を担当することになりました。

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久々の自分が案内するファクトリーツアーをどのようにしようかと方向性を考えていたのですが、会社の今現在を見ると4年前と比べて仕事の内容がガラリと変わっていることに改めて...気づきました。

 

電子書籍やペーパージュエリーの ikue http://ikue.work/ の製作であったり、もちろん商業冊子製本もしているのですが、それだけの会社ではなくなってきているのが今の篠原紙工です。

なのでここ最近のファクトリーツアーの際も商業冊子だけを紹介するというよりこの会社がどんな動きをしているのかということを紹介する比重の方が大きくなってきたのです。

 

先日は団体さんをご案内。

みなさま紙業界の方々だったのでこの日は通常のファクトリーツアーというより、業界向けに内容を変えて篠原をメインに私と2人で案内させていただきました。

紙業界の方々といえども工場をじっくり見学した経験はあまりないようで普段自分たちが扱っている紙がどのように仕上がるのかを見学し色々と納得されているようでした。

 

どんな職種にも通じることかもしれませんが、今や仕事は細かく分業化され、大きな流れの中のごく一部であって最初から最後まで携わることができないのが近代においての仕事なのだと思います。

なので紙関係の方が弊社の工場で『おお、なるほど。そういうことだったのか!』『いや、知らなかったすごい!』という声を聞くと私自身も嬉しくなります。

 

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案内の時間は約2時間から2時間半。

最後の方はお客さんも慣れてくるせいか会話もはずみ、4Fにある過去の製作物を手に取って見たり、印刷加工連の文具を購入してくださったりして楽しいひと時を過ごされます。

 

そしてここ最近、最後に私がよく感じることが一つあります。

それはお客さんが帰る際にみなさん、イキイキされて帰っていくのです。中には『本当に!楽しかった!』と感情を込めて言ってくださる方もいらっしゃいます。

 

それは単に工場を見学するという非日常からだけの喜びではなく、篠原紙工という会社を通して物事の考え方、新しいことにチャレンジしていくエネルギーみたいなものを感じ取ってくれているのかもしれません。

 

何かしら良い影響がFactory 4F (篠原紙工) が提供できているとしたらこんなに嬉しいことはありません。これからも少しずつ工夫をしてファクトリーツアーを続けていきますので皆様どうぞよろしくお願いいたします。

T

 

*ただいまHP上のイベントページに開催日をアップしておらず申し訳ありません。

ファクトリーツアーに興味のある方はmado@factory4f.com(タブチまで)

 

 

篠原紙工で働くってどんなだろう?

 

現在、篠原紙工では営業と現場オペレーターを募集中。

篠原紙工ってどんなところか?

 

 

私がこの会社にいて思うことですが、

篠原紙工には自由と寛容さがあります。

 

糸が張りつめた物づくりの会社、

というよりか、

糸に弛みがある会社、

(良くも悪くも)

 

 

今までのやり方はこうだけど、

新しくこうしたらどうだろう?

自分なりのやり方に変えても?

ということが言える環境。

たとえそれが失敗に終わったとしても許される。

 

 

こんな仕事をしてみたい、

こんなアイデアはどうだろう?

もちろんそれには自分から勇気を持って

きちんと発信するという大前提がありますが

そういう思いを受け入れてくれる会社です。

 

受け取り方によれば、

いつも受け身でいるとつまらない、

仕事内容的にも作業をやらされている感が

出るかもしれません。

しかし、これはどんな仕事でも言えることかもしれません。

 

問題はこの自由さをどのように自分と

会社のために使うか、なのだと感じています。

 

 

 

篠原紙工は会社としても新しい取り組みにチャレンジしており、

その裏には、始めたものの継続できなかったり...

失敗も多かったり...

すぐに利益に結びつく事ばかりではありませんし、

会社の方針に全ての社員が心から納得しているわけでもありません。

 

光と影はもちろん、たくさんあるのが現実です。

 

 

正直に申しますと、

篠原紙工は常に変化が絶えず、

特にFactory 4Fが始まって以降

色々と表面では見えない部分の大変化もあり、

落ち着きのない会社ではあるかもしれません。

 

しかし、会社も個人も変化し続けるもの、

という考えがこの会社の根底にある気がします。

 

私の意見としては、光と影がくっきりと浮き出ているのは

大変ではあるけど、他では得られない経験もたくさんあって、

この会社の成長を自分と重ねながらお互いに

とって良い未来を作りたいと思っています。

 

 

 

ある日、私は社長とこんな事を話し合っていました。

 

『将来の夢や目的が必ずしも今現在の職種、やっている事と

直結していなくてもよくて、まずはその人が夢や目標、

ぼんやりとしたビジョンでもそれを持つことが重要で、

その人がその夢や目標に近づくまでの大事な時間を篠原紙工で

仕事を通して人間的にレベルアップしていければいいよね。』

 

製本技術、営業技術のいわゆるスキルアップ

もちろん大切だけれど、それよりも大切なのは、

 

仕事を通して

自分と向き合う人間的成長。

そして、毎日を気持ちよく充実させる事。

 

もしかしたら、それが夢への一番近道なのかもしれません。

 

 

人ひとりの人生の中で仕事はその一部。

でも仕事は大部分を占める、人生の一大事。

 

その日々の仕事を通して仲間同士お互いが刺激し合って

高められることが理想だな、と思います。

 

タブチトモコ

 

*採用情報

日本仕事百貨により詳しい仕事内容が掲載されています。

こちらもご覧ください。 こちらからの応募は1月11日(金)まで 

shigoto100.com

 

 

 

 

 

 

2019年の目標

2018年が終わり、2019年になりました。

皆さんは今年の目標などを立てたりしていますか?

 

篠原紙工の仲間の一人が年末に

『2019年はOOをして、OOのことの着地を見つけて、

....あとは、できたらOOな働きを篠原紙工でしたい。』

と目標をスラスラと口にしていました。

 

その時は、ふんふん、すごいな。と聞いていたのですが、

 

どうも何かが心に引っかかり、お正月に『目標』ということに

ついて考えてました。

 

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*お正月に故郷でこの先のビジョンを考えながら散歩をしていたのですが、

枯れた葉のゆらぐ音が本当に心に落ち着くのです。

 

 

私は目標らしい目標をあまり立てたことがなく、

 

今まではとりあえず、チャレンジしたいことがあれば

それに直球で向かい、置かれた環境の中で小さな目標を立てて

こうなるといいな、こうしよう、を形作ってきました。

 

年齢を重ねつつあることも影響しているのか、

ここ最近は、そういう小さな目標よりも

もう少し大きな目標、

ビジョンのようなものを自分の中でもう少し明確にしないと、

この先のステージには行けない気がしてならないのです。

 

篠原紙工では見つけた課題に対応し、それを仕事として

会社全体が良くなることに力を注いでいましたが、

それは会社のためだけでなく、自分のためでもあり、

 

 

しかし、それだけが自分の人生の目標ではない。

 

 

 

今までも考えてはきたつもりで、

なんとなくのビジョンは今もあるけれど

 

もっと、もっと、真剣に、そして楽しく

この質問に向き合う時期がやってきたようです。

 

「限られた人生をどう生きたいか?」

 

 

大袈裟かもしれないがそういうことから順番に考えて

 

「だから今、これをする。」

 

と言えるように、

それを少しでも言語化することが2019年の大きな目標。

 

でも、そんな大きな目標を言葉にするにはもう少し日々、

心と向き合う必要があるようです。

 

なのでドーンと小さいレベルにまで下げ、

今年はもっとこのブログで文章を書くことも集中。

これも目標のひとつ。

T

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨年の篠原紙工を振り返ると人の出入りが多い年でした。

 

台湾学生とのファクトリーツアー

 

先日、アニメやデザインを学ぶ東京の専門学校から

ファクトリーツアーの問い合わせの電話がありました。

 

台湾にある姉妹校から台湾学生が日本のデザインを学びに

来日するのでその際にFactory 4F を見学したいとのことです。

先生や撮影も入れて25名。なかなかの大所帯ですが、

日本でFactory 4F を選んでくれた事に心を動かされ、

引き受ける事にしました。

 

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今回は篠原紙工でいちばん若い社員

渡邊友菜さん(折機オペレーター)

と一緒に工場を案内。

 

まずは4Fで会社の案内や私たちの自己紹介。

私とメールのやり取りをしていた東京校のスタッフの方の

流暢な中国語の通訳のもと、安心してスタート。

 

4F BOX、ペーパージュエリーのikue、

電子書籍、などここ最近の篠原紙工の仕事をご案内。

 

ありがたいことに、仕掛けのある製本や電子書籍などを見せるたびに

『おぉ〜』と声が上がって、これまた一安心。

 

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断裁、綴じ、折り機、手加工、の仕事の流れを案内し、

ふたたび4Fに戻り質問や感想などのお話しをつつ、

台湾の学生さん達は将来的に日本での仕事も視野に入れている

という前情報もあったので篠原紙工で働く人を紹介をしました。

 

 

もちろんこの日は工場を案内してくれた弊社のスタッフ、

渡邊友菜さんにフォーカス。

もともと美大で彫刻を専攻していた学歴の持ち主。

彫刻をやりつつ独特な世界観のアートブック等も製作していて、

大学卒業後に縁あって篠原紙工へ入社。この日は彼女の過去の作品

等も自分で紹介しつつ、学生さん達と直接コミュニケーションをとりました。

 

 

今でこそ篠原紙工では20代、30代の方も増えましたが、

今までは若い人がこの会社面白そう!

と思って来るような会社ではなかったことも正直に話してみました。

 

ただ単純に、言われるがままに、印刷物を切って折って綴じて、

という作業だけだと仕事は単調で面白みのないものになってしまうけれど、

篠原社長を筆頭に、地道に製本、紙加工の奥深さを発信してきた結果、

若い人からも注目されるような会社になりつつあると説明しました。

 

私がこの事を話そうと思った気持ちの背景には

製本紙業界は今までの仕事のやり方では生き残れないし、

需要も下がるいっぽうだけれども、

だからこそ新しい価値観を作り出していくらでも変われるチャンスもある。

この日は深い話は避けて、簡単な言葉で可能性は自分たちで作っていくものだ、

ということを通訳さんに伝えてもらいました。

 

 

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最後まで楽しんでもらえた様子で彼らは4Fを去りましたが

自分が伝えたいことがあまりにも浅い言葉な気もして、

彼らの心にどれくらい届いただろうか?

伝える事の難しさを考えていました。

 

ところが数日後、通訳をしてくださった専門学校のスタッフの方からの

お礼のメールで普段おとなしい台湾学生がかなり興奮して

今回の日本ツアーではFactory 4Fの見学が一番印象に残っている、

と話してくれたそうです。

 

良かった...。 

私はとっても嬉しく、勇気をもらいました。

 

ここ最近、海外からのお客さんの見学が偶然にも重なっています。

国内外に限らず、ファクトリーツアーが終わった後のお客さんは

とてもイキイキして帰る方が多いのですが、

実はそれがどうしてなのかはあまり深く考えてませんでした。

 

私たちにとっては日々あたりまえで行なっている仕事が

他者には良く見える。単にそれだけなのかもしれないけれど、

そこが何か今後の成長するヒントな気がしてなりません。

 

 自分たちの仕事の価値を自分で認識する。

これって案外むつかしく、できてない事なのかもしれません。

そこを意識して普段の仕事なり、ファクトリーツアーを行なうと

また違う仕事の世界が見えるかもしれない。

 次のファクトリーツアーは、中国からの団体のお客様。

この新たな気持ちで対応したいと思います! T

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「仕事」ということを考える時のヒント

 

 

『生き方研究室』という会について少し。

 

今年の夏から何度か不定期で開いている『生き方研究室』

生きる上で必ず考えるであろう、仕事のこと、人間関係のこと、健康、お金、
などなど、一つのテーマにフォーカスして少人数で話し合う会。

 

哲学とまではいかないけれど、

物事の本質を自分以外の人と話し合うことでより心を豊かにしようというのが目的です。

前回参加してくれた方々ありがとうございました。

 

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前回のテーマは「仕事とは?」

世の中的にも働き方が見直されていたりして、

ざっくりとでも「仕事」について話すのも良いかと思い選びました。

  

大半の人が仕事に対してネガティブな印象があるのではないでしょうか?

私も働き始めた頃仕事は、辛く、我慢しなくてはならない。

仕事とはそういうものなんだ、と思っていました。

 

しかし仕事が嫌だな、と思うたびに

友人のお父さんの言葉が頭の中に浮かぶのです。

その友人はお父さんから

『仕事は、辛いもんじゃないんだよ。良いことなんだよ』

と言われて育ったそうです。

 

なんとなくその言葉が20代の私の中にずーっと残っており、

 その言葉をヒントに仕事についてよく考えていました。

 

答えは出ず悩み続けていたのですが、

まずは仕事とはそもそも良いことなのだ、と単純に思い直してみたのです。

 

 

 

しかし、、、現実は厳しかったり、今思えば自分に合ってない仕事だったりで

嫌になったりすることもあったのですが、

その言葉がいつも思い浮かび、

心地よくないのは何か自分に原因があるのだ、

このかなりのポンコツ度合いを自分でも認め、

ずーっと自分と仕事との微調整と対話が続いていた気がします。

 

30代になってもその微調整は続きましたが、『仕事とは本来は良いことなのである』

という言葉はいつも忘れられませんでした。

 きっとそうなんだと思う。と信じたかったのです。

 

 

そんな中、ある本の中でこんな言葉に出会いました。

 

「仕事とは自分の能力や興味、価値観を表現することである。」

 

アメリカ人でキャリア研究者のドナルド E スーパーという方が残した言葉です。

 

 

自分の能力が生かされてない時、

その仕事が自分の興味の範囲とかけ離れている時、

自分の価値観とあまりにも違う環境にいる時、

人は仕事を苦痛と感じてしまう。

 

ということは、自分の能力、興味、価値観、これが自分で多少なりとも分かって

いないといつまでたっても負からは抜け出せないということです。

私たちは自分が何を望んでて、何が好きで、どんな価値観を持っているのか、

なんてことをきちんと考えることは日頃ほとんどないと思います。

それくらい意識してないと流されてしまう生き物なのです。

自分のことなのに自分が知らないなんて、変な話です。

 

 

『仕事とは表現をすることである。』

この意味は表現をするために仕事がある、とも考えられます。

 

仕事を通してどう自分を表現していくか、これが仕事だと思うと

今まで私たちが植えつけられていた「仕事=辛い」

というネガティブなイメージから解放される感じがしました。

言われたことだけをこなすことを労働、と考えるとその与えられた

労働に+αや自分の創意工夫、価値を付け足し表現することで それは

仕事、という言葉に変わるのかもしれません。

 

 

しかし、ドナルド氏の言葉を試すのは相当の勇気がいると思います。

 

そもそも表現することって恥ずかしいことです。

他人からはバカにされるかもしれない、怒られるかもしれないし、

失敗するかもしれないし、見放されるかもしれない、

挙げ句の果てには嫌われるかもしれないし、

そういうことはなるべく避けるように教育されてきた人が大半だと思います。

 

しかし、その今まで避けてきたそれらを受け入れる勇気がない限り

自分にとっての心地の良い仕事とは出会えないのかもしれません。

そして自分にとって心地の良い自分にも出会えないのかもしれません。

 

どれだけ自分の中の思い込みに気づき、前提を壊すかが前へ進む一歩

なのでしょう。

 

今まで通りの働き方が変わる時代がもう直ぐそばに来ています。

働く時間、場所、国籍、会社との関係、多様性がもっと高まる時代。

この言葉はきっと仕事で悩んで知る方々のヒントになると思います。T

 

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この研究室をチャレンジする際に興味を持って協力してくれた仲間がいます。

彼女のお菓子は真面目なのだけど決して(砂糖の甘さだけでなく、)

甘すぎない彼女の考えや好み、テイストがしっかり入っているのです。

お菓子を通して彼女を見るのが私は毎回楽しみなのです。

この日は私の好きなキャロットケーキ、そして1輪の黄色いカラーと共に会を開きました。

Thanks!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4Fes! 2018 トークイベントのご紹介

こんにちは。

11月17日(土)13:30(受付開始時間)〜19:00

今までとはちょっと違う、4Fes! を開催します。4Fes! TALK x TALK | Peatix

規模は小さいけれど、内容は濃い2つのトークイベントです。

ちょっと内容がマニアックなので、ブログで補足をしますね。

 

トーク① 14:00-16:00 「古の製本 今昔トーク!」

こちらはトークと題して公開取材です。

印刷、紙加工の専門誌『デザインの引き出し』で連載中の

「 古 (いにしえ) の製本に挑戦!」皆さんご存知でしょうか?

 

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*当日は今までの「古(いにしえ)の本」の展示も行なっています!

 

明治~昭和初期の造本は今見ると「どうやってつくっているんだろう…?」

と思うユニークな本が多かったようです。

この連載ではその頃の製本を今の技術でどう作るか、

そして、もしそれを大量生産する場合にはどう作るか?

という実験レポートの連載です。

 

篠原紙工では「古の本チーム」を組んで毎号、数ある造本の中から

1冊選び、頭と手そして想像力! を使いその選んだ本の復刻版と、

量産バージョンを作っています。

 

そして毎回製作が終わるとグラフィック社の方に取材をしてもらうのですが

その取材は本当にいつも楽しそうです。

さて、公開取材ということで、

この「4Fes!TALK xTALK」で話した事が次号の記事になるわけですが、

 

次号の内容は、その明治〜昭和初期 当時の中でも特に奇想天外な本を作っていた

斎藤昌三の「新富町多輿里」という本を篠原紙工の技術で再現します。

おそらく…トークのキーワードは「紙型」になるのではないでしょうか。

さて紙型って一体なんでしょう…。お楽しみに!

 

このトーク①では「古の製本に挑戦!」の連載内容をしっかりと

知ることができるほか、昔は手作業で作っていた造本が機械を使った

量産になるとどう変化するのか、そして工場で機械を使って物を作るって

裏でどういう制約があって工場で働く人のどんな創意工夫がされているのか?

という事を垣間見ることができます。

 

ゲストは2人。

『デザインの引き出し』の編集長 津田淳子さんと

毎号「古の製本に挑戦!」の記事を書いてくださっている

ライターの杉瀬由希さん。

そして、篠原紙工からは古の本チームのメンバーである

新島龍彦と増渕みづ紀の2人がトークに参加します。

 

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16:00~17:00「古の製本 海苔本ができるまで」

そして次のトーク②が始まるまでの1時間は過去に製作した

「古の製本」の中でも特にびっくりな素材を使った本、

「海苔本(のりほん)」 の作り方を工場で実演。

海苔は食べる海苔!ですよ。

篠原紙工の古の本チームはどのようにその古本を読み解き、

形にし、そして機械で量産可能な工夫をしたのでしょうか?

今回はその場で海苔本を作り、できたその本は(数は限られますが…)

販売もするのでぜひとも本好きの方は一つ所蔵してみてはいかがでしょうか?

  

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トーク② 17:00~19:00「本をめで隊スペシャル!~紙を選ぶ~」

こちらは4Fのイベントの中でも地味に長く続いている小さなイベント。

毎回、何かしら紙にまつわるテーマを出して

マニアックな切り口で話し合う場です。

 

今回のテーマは、「紙を選ぶ」

製本、印刷、デザイン、その他紙にまつわるお仕事の方々は

多種多様なあの紙の見本帳の中からどうやって適切な紙を選んでいるのでしょう?

同じ紙関係の仕事でもそれぞれのポジションで選ぶ特徴があるかもしれませんね。

しかし最終的にはその選ぶ方の感覚、思考だと思います。

 

トークでは篠原紙工の篠原慶丞と3人のゲストを中心に

彼らの紙を選ぶときの頭の中を見せていただきます。

お客さんもトークに参加できますので自分はどうやって選んでいるだろう…?

と考えておくとより一層楽しいイベントになりますよ!

<ゲスト>

小熊千佳子(アートディレクター・グラフィックデザイナー)

西谷浩太郎(平和紙業株式会社・東京販売促進部)

岩瀬学(図書印刷株式会社・製本コンシェルジュ

ゲスト3名とFactory 4F(篠原紙工) 篠原慶丞の計4名のトーク

 

選ぶ...。

紙に限らず、私たちは何を軸に日々「選択」をしているのでしょうか?

4Fes!のイベントが着々と進んでいる中、そんなことを考えました。T

 

◎今回は前払い予約制です。

ちょっと時間が長いイベント?と感じるかもしれませんが

当日、入退場は自由なのでお気軽に考えてお越し下さい!

お申し込み↓

4fes-talktalk.peatix.com

 

 

 

 

 

スコットランド 文房具店との出会い

 

ロンドンから移動して

イギリスの北スコットランドの首都エディンバラに滞在しています。

 

友人の紹介でエディンバラから電車で約1時間くらいの都市、

グラスゴーという街で日本の文房具を取り扱っているお店が

オープンした。と聞き、早速行ってみました。

 

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*グラスゴーの街

 

ストリートの路地を少し入ったところに『えがく!』

という看板発見。

看板に日本語を使うなんて相当の日本びいきなはず。

 

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Draw Art Store  https://drawartstore.wordpress.com/

 

古い建物の中に入るとそこにはカフェやビンテージの服屋、

雑貨屋さんと並んで一つのテナントとしてその文具店はありました。

 

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お店に入ると、、、

私たちが日々なんでもないものとして使っている

セロテープや消しゴム、鉛筆、ノートが洗練された形で販売されていました。

 

 

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オーナーに挨拶をし、話しかけてみると、

日本の文房具のクオリティの高さについて熱く語り始めました。

文房具屋さん兼画材屋さん、という雰囲気のお店ですが

オーナーの日本の文具への愛情と尊敬の念を感じ、

印刷加工連のパンフレットを渡し、私の自己紹介をして

後日サンプルを持って再び会いに来ることを約束し

その日はエディンバラへ帰宅。

 

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 *こちらエディンバラの駅

 

そして、数日後。

メモパットをイチオシとして再びお邪魔すると、

私にとってはとてもイギリス人らしいのですが

さっそく「お茶はいかが?」と。

ふと、彼のデスクを見ると....

電気ケトルは無印。

お茶も「アールグレーとほうじ茶、どちらがいい?」と、

彼の生活の中に日本のテイストを感じます。

 

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お店の開店前にお邪魔したのですが、オーナーの日本商品への

情熱の語りは続き、結局2時間近くお店にいた気がします。

ティーポットで用意したお茶をマグカップに注ぐのを忘れるくらいです。

その後、たいへん濃いアールグレーティーを頂きました。

 

 

「日本のスケッチブックは書いても裏に透けない、

透けたとしても気ならない程度のちょうど良い質の紙を使っている。

イギリス人は薄い紙=安い、厚い紙=高い、と思ってる

そうじゃないんだよね!」と紙に対するイギリス人の安易な考えの

ジレンマを話してくれました。

 

セロテープなども思い通りに切り取れたり、

絵を描く鉛筆も書き心地や自分の頭の中に想像したことを

スラスラとアウトプットすることができる、

というようなこと語ってくれました。

 

クレヨンも、鉛筆も、消しゴムも、カッターも

どれも日本国民が子供の頃にお世話になった商品ばかりです。

 

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それがはるか海を超えてこんなに重宝がられると

自分の国なのにわけが分からなくなります。

 

オーナーに何がきっかけでそこまで日本の商品に惚れ込んだのかを聞くと、

デザインを専攻していた学生の時に日本の鉛筆(確か、トンボだったかな?)

を使ってみたところすごく使いやすくてそれから

日本の商品を探しては手に入れて使いこなしてきた結果だそうです。

でも、まだ一度も日本には来たことがないとか.....。

 

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印刷加工連のメモパットを実際に触ってもらって紹介したところ、

ハーフカットの部分や微妙に斜めにカットされているところに

すぐ着目してくれました。

そして、いつも海外の方から言われるのが、

日本のチップボールの質の良さと美しさ。

イギリスではチップボールは芯材、ということでいろんな

紙が混ざった雑な紙とされているようです。

 

 

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日本の文具マーケットはまだこれからイギリスで知られていくと思う。

輸送費などの問題もあるけれど、それだけの価値はある。

励みになるような言葉をたくさんいただきました。

 

日本のクオリティの高さは世界的にも認められていて、

私たち日本人も自覚しはじめているとは思います。

でもそれをどのように発信して、どのように行動に

移していけばいいのだろうか、、、。

オーナーとのミーティングが終わって

一人で呆然としてしまいました。

そう、私たち良い製品作れるって分かってるんだけど、

それでどうするのか?

それをどのように役立たせて、

結果的に経済に結びつけていったらいいのか?

 

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*このお店の犬、マーシー。人懐っこくてすごく愛らしかった。

隣近所のお店にも一人で遊びに行ってみんなに可愛がられてました! 

 

 

世界的にいい意味で

マイノリティーな感覚の持ち主の日本人。

私も日本人の一人としてその感覚がきっと入ってるはずです。

その部分をもっと掘り下げてアウトプットすることが

海外での仕事に繋がる第一歩、それが今後の課題なのか?

 

少し孤独感すら感じさせる美しい風景を眺めながら、

一人エディンバラの街へ電車で帰りました。

T

 

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