本は人生を支える

旅する図書館は本のサロン、本好きが集まり、毎回違うテーマで本にまつわる話をします。暗やみ本屋ハックツ、というのは大人から寄贈された「10代のうちに読んでおきたい!」本を19歳以下の若者だけが買える古本屋さんす。

 その2つが掛け合わされて「10代の方に読んでもらいたい本」をテーマに製本工場Factory 4Fでサロンを開きました。ちょうど先週の木曜日。

 

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*本を紹介しているのはライターの岡島梓さん

 「旅する図書館」の主催者である梓さんがササッと準備をしてくれたので私は何もせず、見学参加という感じで後ろの方で聞いていました。Factory 4Fの他のスタッフも同様、各自の仕事をしながら耳はイベントの内容に傾けているようでした。ですが、、、聞き出したらそんな仕事の傍どころか!聞き入ってしまう内容でした。

 

持参した本について一人ずつ約10分くらい話しをするのですが、皆さん想いがあるようで10分以上話が盛り上がるシーンが多々ありました。どんなに話すのが好きでも人前で話すのは誰でも緊張します。

 前回に違うテーマで「旅する図書館」に参加した際に感じたのですが、やはりどんなにシャイでも想いがあることを話す時、人は案外に口べたと言いつつも話せるのではないだろうか?

 話せる、というより、伝えると表現した方が正しいかもしれない。この会の人々はワタシ!ワタシ!話たい!というより想いを伝えたいという感じがします。それがきちんとできている会なのです。だから聞く耳もあるし、伝えることが目的で手段としての話す、が自然に行われてる、まさにサロンです。

 

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*付箋だらけの本!このまま寄贈してもいいのでは!?

 

参加者の中には学校の先生や会社員、新聞記者など様々でした。そして赤いエプロンを身にまとった「暗やみ本屋ハックツ」の発起人である西田さん、とても興味深い方でご自身の経験から若い人がもっと家庭や学校以外でたくさんのひと…大人、と出会うべきという思いからこの本屋を開いた、と会の時におっしゃっていました。

 

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*「暗やみ本屋ハックツ」の西田さん

 

彼の若者に対する情熱は大きくそしてあたたかい。西田さんとご挨拶した時、まるで純粋な少年のような人だなぁ、と感じたのですが、どうやら第一印象は間違っていなさそうです。彼の若者や社会対しての情熱や見守ってくれるようなあたたかさは10代の若者でないにせよ、選択が多く、変化の激しいこの世の渦に巻き込まれている人々に何か道しるべをくれそうです。

 

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*ある方は詩の本を持ってきてくれました。朗読の際に照明を落として

 

 4Fのメンバーともよく話すのですが、これからの時代はこういう人がもっと増えるのではないか...と私たちは予測しています。

 助ける人も助けてほしい人もこの世には本当はたくさんいるけれど、まだお互いに伝え合ってないだけで、助けられる人はいろんな方法で恐れず発信、表現、していくこと、そして助けが必要な人はもがきながらも前へ進むことをあきらめない、ということでしょう。もがくことをあきらめた人は…ちょっと休憩ということで、しかし、またもがきが必要な時は自然と何度も来ると思います。逃れるか、向き合うか。

  

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*ブランドに対する本質を知るいい機会、本当の意味でそのブランドが好きになるかもしれませんね

 シャネルの本からは、彼女の社会貢献について、お金がたくさんあったら何に使うだろう?芸術家を育てる社会的な意味は?などを考えるきっかけに、「ゆっくりいそげ」という本もありました。これはタイトルだけでも立ち止まってしまいそうです。私は単純に焦りはよくないけど、人生は有限、という時にこの言葉を噛み締めます。

 小説のお話の時は誰かが太宰の本は10代の時じゃないと本質は感じられない、みたいなことを言っているのが聞こえました。その言葉にそういう本がこの世にあっておかしくない!なぜもっと読まなかったのだろう.....と太宰と10代の頃の私に縁がなかったことを悔やみ。

 

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ある方は「孤独の価値」という本を選んでいました。内容は10代にはちょっと難しいかも?と思いましたが分からなくても10代で触れていたらきっといつか思い出す時が来るだろう内容でした。『あっ、そういえばあんな本が記憶のどこかに….』みたいに。『孤独と本当の友達になれた時、あなたは本当の自由と幸福を得られる、』

 

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、、、な感じな言葉をどこかで聞いたことがあります。孤独ってカッコつけた表現でも使われて照れくさいかもしれませんが、孤独なんてすぐ側にいる身近なもので、逆に無視しようとすればするほど負の孤独になると思います。

 

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 *梓さん手作りのビスケット!!彼女の工夫するエネルギーに感動.こういう細かい気遣い、真似したいです

 

紹介された本全て読んでみたい!そして皆さんと話してみたい、と思わせるようなイベントでした。そしてその後もジワジワと影響があって、私本人はもちろんですが、篠原紙工の社員でも「このイベントの写真を見て辻仁成の 「代筆屋 」を読んでみました!」とか 「漫画でやってみるのも面白そうですねー」と声があり、こういうイベントを社内でやるのもいいなぁ、なんて私の頭にもポッと浮かびました。主催者をはじめ、みなさんの想いこのイベントの趣旨はゆっくりと、確実に、伝わってそうです。

 

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 *紹介された本は寄贈されます

 

Factory4F タブチ http://factory4f.com/

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◎暗やみ本屋ハックツについて

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