ドイツ装の制作風景
4F BOXには12種類の製本・紙加工見本帳が入っております。
ユニークな折り方、綴じ方とそれらがどのように作られるかの説明書付。
紙が好きな人、製本に興味がある人、デザイナー、印刷会社の営業さん....紙媒体のものを作る時にいつもと同じような感じになってしまう、そういう方のインスピレーションを刺激するような内容になっています。
そのうちの12番、「ドイツ装」というのがあります。なぜ「ドイツ」というのかは謎なのですがこの製本は表紙の表と裏に厚紙を貼付けた形のことを言います。
写真に写っているのは本文、糸など使っていない無線綴じの製本です。表紙のないノートを想像してもらうと分かりやすいかな?
そのまっさらなノートの表と裏に厚紙この⑫と印刷されている厚紙を糊で貼付けていきます!
これが 「糊付け機」。社長が色々と指示をして作ったオーダーメイド。機械ってそんな簡単にできるんだ....オーダーメイドできるんだ。この業界に入って思いました。このローラーの間に厚紙を通します。一瞬で全面に糊がつきます。
そして本文に手で貼付けていきます。位置がズレないように!
機械があるから、簡単にたくさんできるのが工場でしょ?
と思われるかもしれませんが物によって機械を微妙に調整するのは人間。この糊付け機もその厚紙の厚みにあわせてローラーを調節せねば糊のつき具合がまばらできちんと製本できません。
それに『まぁ、このくらいで、いっか、、、』で黙々とつい惰性で何百部もやってしまおうものなら結果、大きなロスになります。材料も、時間も、労力も。恐ろしい!
なので一連の仕事の流れを考えて準備することが大切です。それが慣れて早くなればなるほど生産性も上がるし、その機械を操る人の能力なんだなぁ、とこの工場にいて思います。
準備ができたら修行僧のように黙々と手を動かします。写真は表裏貼付けた物を重ねて板を途中で挟んでる状態。
どどーん。
重しをのせます。この重しもオーダーメイド。10kgです。
油圧式プレス機。この機械も作っていただきました。先ほどの10kgの重しで少し落ち着いたらあとはこの機械で一気にプレス。
挟まれているの見えますか??
ドイツ装の一番分かりやすい特徴、本の背はむき出しです。
*こんな感じで新島さん(左)と新しく会社のメンバーになった新井さん(右)とで作業しております。
紙媒体のものが段々消えつつあるこの世の中で少しでも手に取る面白さ、紙ならではの表現を多くの方に知ってもらえたら嬉しいです。
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