あなたにとって大切な本はありますか?

10月8日(土)11:00-17:00で『継ぎ表紙の上製本づくり』のワークショップを行います。4F製本教室『 継ぎ表紙の上製本づくり 』 - connpass

 

継ぎ表紙の製本….

聞いてもどんなのだか想像つかない ? かもしれませんね。

私も最初、言葉だけでは分かりませんでした。

簡単に説明すると、表紙と背の部分がひと続きになっていない本のことです。例えば、表紙は布貼りだけど、背の部分は革素材や厚い布であったりする本のことです。

先生からお借りしている本を手に取ってみると背の部分は革素材の物でとても重厚感があります。やはり開いたり閉じたりするので背を強化するためにこういう本ができたのかと思います。

 

f:id:Factory4F:20160930152612j:plain*こちらは背の部分が丸い丸背の上製本。中身は文庫本です 

 

ところで、自分の心のよりどころのような本はみなさんは持っていますか?

この継ぎ表紙本を見て、ある方の話を思い出しました。

 

その人は古くからのインドの智慧や人生哲学が心の支えで、内容が難しくても何度も何度も本がボロボロになるまで読み返し、しまいにはその本を製本し直して自分の1冊にしたそうです。その時の装丁が継ぎ表紙の本でした。

 

その方はそのインドの智慧を読むようになってからよけいなハウツー本を必要としなくなったと言っていました。読んでいくうちに、その人の人生経験も重ねて少しづずつその本が伝えたいことを理解していったそうです。

 自分の支えとなる1冊の本を自分で製本し直して大切に何度も読み返す、これこそこういう装丁がふさわしいなぁ、と思いました。

 

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あなたにとってそういう本があればきっと何度も開いて読むでしょうし、愛情、その本に対して敬意みたいな心もうまれてくるかもしれません。

私にとって本とは美しい装丁、面白いデザイン、造形物という視点より先ずは中身。何が書かれていてどんな智慧や知識や感動を与えてくれるかというのが先。

物質としてなくなったとしてもそこから学んだことが自分の中に残ればそれで役目は終了です。

しかし、もし手元においておくなら、機能的に強化されていて、美しい佇まいの本が部屋にひっそりあれば毎日がより楽しくなると思います。

 

 

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*先生の本にはマーブリングの施しもされています。今回マーブリングも行いますよ! 

 

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