アートホステルで本の展示会

先日、本の展示会に行ってきました。何度かこのブログでも出ていますが、篠原紙工の社員でもある新島龍彦(にいじまたつひこ)と彼の学生時代の同級生、梶原恵(かじわらめぐみ)の2人のから成るSHILHOUETTE BOOKS の展示です。

梶原恵+新島龍彦 「本の横顔展」

 

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タイトルは『本の横顔展』

学生時代からの彼らが手がけた作品、各個人の作品。2人が今までどんな作品を作ってきたかが見れる展示となっていました。

 

梶原さんはご本人の姿からはちょっと想像つきにくいのですが、強い意志と本を作るコンセプトがしっかりあって物語や彼女の世界観を本に落とし込むことが表現手段としてピタリとあっています。ブックデザインの会社に勤める彼女ですが学生時代の作品をみても内容も形も完成度が高い。梶原さんは本を作るための人、という感じがする素敵な女性です。

 

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*初日の夜に行きました。この展示は夜遅くまでやっています 

 

内容がしっかりとあってその仕掛けもすごく計算されている、これだけ聞くとなんだか近寄りがたい近代的なアート本を手がけているかのように聞こえるかもしれません。しかし、彼らの本はひとことで言うと、とても優しく近寄りやすい。それは私たちの身近な素材『紙』を使っているのも一つの要因かもしれません。

 

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*梶原さんの漢字を題材とした作品

 

コンセプトをうまく形にしているのが新島さんの本設計の表現です。彼の作品を見ているとまず「紙」が主役でその触り心地だったり色風合いを大事にしていて形もできるだけシンプル。まるで通常の本を見ているかのようですが本の内容とリンクしていて開くとちょっとした工夫や細部の美しさに心動かされます。

 

目を引くデザインというより角がきちんとでているとか、本を納める箱のサイズがジャストサイズとか無意識のうちに人間が美しいと感じるような所の設計をきちんとしているように感じます。そういう基本的な所をこの2人は大事にしていてそこが鑑賞者としてはとても入りやすい。

 

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*新島さんの作品

『本の横顔』というタイトルからも角度を変えて本と言うものを捉えて鑑賞してみると良いと思う。読むという行為をする本ではなく、その本の仕掛けによってワクワクしたり頭を使ったり、なるほど!と思ったり。これはデジタルではできないなぁと思いつつも今回は新しくデジタルを取り入れた作品もありました。

 

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 2人の紙の本からはちょっと遠い気がしましたがこの2人がデジタルを取り入れたとしたらどんな内容を作るのだろう、きっとデジタルを入りやすく紙の本でも感動したような同じ気持ちにさせてくれるに違いないと思う。

 

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*量産でないアート本、ちょっと佇まいが違います

 

彼らの代表作『motion shilhouette』を購入する方々を Factory 4Fでも見ているのですが誰もが心を動かされているのがその場で分かります。この日の展示でもいくつか売れていたそうです。彼らの価値観、表現、能力が本というかたちになってそれが人様の心に届く。その結果、本が売れお金になる。美しい流れの仕事だな....といつも思います。

 

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*開くと....そこには文字がりません。本当に美しい...想像力が湧きます

 

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*クリスマスカード等でこういうのがあるといい!

 

 

展示は6日(日)まで、展示会場は品川にあるアートをテーマにしたホステルARTnSHELTERというところで開催中。明日3日はワークショップも行われるそうです。

日時:2016年10月30日(日)- 11月6日(日)
10:00 - 21:00(初日は14:30~)
場所:ARTnSHELTER(http://www.artnshelter.com/
〒140-0011 東京都, 品川区東大井1-19-10
京急本線鮫洲駅 徒歩2分/品川駅から電車と徒歩で8分
大井町駅 徒歩10分
入場無料

 

展示会場となったホステルの写真を少し。夜なのでちょっと全体が暗いのですが。

 

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*カーブのかかった吹抜けの窓ここではPCが使えるようになっています

 

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*なんと地下室。何やらアートの作品の痕跡?これから暗室等もやる予定だとか

 

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*これからどんなホステルになるのか楽しみです

 

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