往復封筒を作っている杉山紙工所さんへ行ってきました

 先日、封筒を専門にしている杉山紙工所さんへ工場見学に行ってきました。印刷会社、製本関係の工場へは何度か行ったことがあるのですが、封筒専門の会社さんとその工場とはどんな様子だろう....?

 

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*古い機械での(抜き)作業をしています

 

埼玉の町工場がたくさん集まる地域、なんだか篠原紙工と同じようなにおいがする杉山紙工所さんへ到着。入り口には篠原紙工からお願いした案件の刷本が入ってました。無事に良い製品になりますように、と願い。こうやって実物が他会社さんにあるのを見ると改めていろんな方々と協力して一つのものはできているのだなと実感します。

 

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杉山紙工所さんはご兄弟で経営されていてお兄さんが営業、弟さんが工場長、現場も社員さんが数名、こじんまりした工場でした。現場には若い方と大ベテランの職人さんもいらっしゃりこの間でどのような技術の伝承がされているのだろうか…そんなことを考えながら工場見学をさせてもらいました。

 

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 *杉山さんご兄弟

杉山紙工所さんでは特殊な封筒を数多く手がけており、工夫ってやっぱりすごい、と思うような仕様の封筒もたくさんありました。例えば、招待状などを封入するためデザイン性や美を求める封筒の受注もあり、その場合はイレギュラーな大きさや形、レーザー加工を施すような工程も行っています。手紙だからこそ封筒にも美しく表現をしたい、というお客さんの願いを形にしてくれています。

 

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*デザインの引き出しより

 

私が無駄もなく実用性も兼ねていていい!と思った実例は往復封筒。例えば送られてきたものに対して送り返す必要のあるやりとりのあるもの。アンケートやDVDの返却、願書や申込書類などには往復封筒がついていると思いますが、杉山紙工さんの開発した封筒はエコ封筒と題して送られて来た封筒をそのまま送り返せる工夫がされています。1枚の封筒で送り返す事のできるような封筒の型作りやお客さんに分かりやすいように説明も書き加え、現実的な郵便局側とのやりとり、などなど、現実化するまでには色々と道のりはあったようですが工夫が満載の1枚です。

 

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*実用性のある往復封筒、もう一方はレーザー加工された封筒

 

1枚の封筒で返信もできるという紙での情報のやり取りの考え方が知られればもっと需要も増えるかもしれないですね。紙や経費の削減にもつながり、環境にも良い!私個人としては世の中全体がいつも新しく、きれい、だけでなく必要最低限ということを今一度考える、そういうところにも意識が向くといいなと思います。

 

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*往復封筒のロゴ

 

そして同業者でよく出る話題も持ち上がりました。印刷、製本、紙の業界、その中にはもちろん封筒業界も含まれていて、この先どう発展させていけば良いか!という課題です。これについて頭を悩ますのはどの会社も同じようです。私もこの話題になるとウーン、と考え込んでしまうのですが、今のところの答えは「ここの人(会社)に仕事をやってもらいたい」と思ってもらえるような人、会社になる事かなと…。

 

 

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*封筒のり付け作業の様子 

 

作られた製品、物質やコストだけでの満足度では限界の社会になってきている事はどなたも気づき始めていると思います。どこでやっても大差がないのであれば細かいところに心遣いが見えるところがある会社と仕事したいはず。もしくはこの会社と仕事すると何だか気分がイイ、とか。弊社でも封筒の案件を扱うようになったのは杉山紙工所さんがいるからだと。篠原曰く封筒加工について質問するとすぐ答えが出てくるし、一つの事に対して他のヒントも色々得られ、案件がスムーズにいくからだと。気分よく仕事ができる会社、というのがこれからますます大事になってきそうです。

 

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*何だかこの機械の全体像、良いです

 

大変ありがたいことに 「篠原さんのところのみたいに発想力があれば…」という言葉をよく頂きます。私は技術部門ではありませんが一社員として思うのは発想力、というか「○○であるべきだ」という壁を作ってない事が結果、発想力になっているようにみえます。「なんで?」というのがキーワード。できない→なんで? こうしたらダメ→なんで? 子供の問答のようですが言われるとドキッ、とする時があります。そうだよね、なんでだろう…と。

 

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*のり入れの部分、のりを扱うにも関わらず機械がとてもきれいに維持されていました

 

私たちは知らず知らずのうちに固定観念ができていきます。親、友人、学校、社会、流行、会社に入ればその会社、はたまたその業界……….数えればきりがありません。私たちには共通の固定観念があるからこそ社会が動いているということも事実ですがその中で生きていても柔軟な考えを持って工夫して仕事に取り組めれば何かしらの結果に繋がってまたその結果が発展ということになるのではないでしょうか。

 

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仕事だけでなく、日常生活の中でも自分が勝手に思い込んでいる固定観念を一度見直してみると仕事に対して何か良いヒントが生まれるかもしれません。

 

簡単な例だと、毎日3食は体に良いのだから、お腹がすいてなくても食べなくちゃ→本当に?とか。常識より身体に聞くとかね...(極端ですかね)

 

何だか話がだいぶ飛んでしまいましたが、そういうのを見つけて時々ぶち壊してみるのはいかがでしょうか。まずは小さな固定観念をみつけてみて壊す練習....おススメ致します。

 

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