「ふわぼろノート」のストーリー
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今日は『ふわぼろノート』をご紹介したいと思います。
このノートのストーリは2017年の4月に印刷加工連で『紙博』というイベントの参加がきっかけでした。(この『紙博』手紙舎さん主催なのですが、もんのすごい!来場者数だったそうです。数千人…とか?すごい。手紙舎さんのパワー)
*ただの白いノート、ですが、、、
「紙文具の駄菓子屋」をコンセプトにチープで手に取りやすい文具をたくさん作ろう!という事になりみんなでアイデア出しの時、篠原紙工の折り担当、岩谷くん(造形大出身)がふと、ある束見本を見つけました。
ファイバーラッファー(ミーリング)加工されている束見本。
………ファイバーラッファーって?
ここからちょっと製本の事を説明。
ファイバーラッファーとは無線綴のPUR機械で施される加工の一つで、簡単に言うと、本の背をガリッガリと削り、糊が浸透しやすくする加工のことです。「ファイバー」というくらいなので削り具合がとても細かく、紙という素材の断面がきれいにみえる感じに仕上がります。
そして無線綴じPUR機の「PUR」とは糊の種類の一つなのですがとても強度が高く、少しの量でもぴったりくっつき、糊を引く量が少なくていいので本の開きが良い!という特徴があります。そのため表面の削り具合があんまり粗いとがっつり糊が入ってしまうのでPURの糊を使用する際はファイバーラッファーで細かく繊細に削る必要があるのです。
*このように無線綴じには背に糊が浸透しやすいようにミーリング(削る)という加工が基本、施されています。
さて、ストーリーに戻ります。
そのファイバーラッファーは通常は本の「背」だけに施しますが、その束見本は小口にも天地にも削られた加工が入ってて全体的にモサモサした紙の固まりのような感じでした。
これを見た岩谷クン…本って通常はカクカクしてて滑らかでってイメージがあるけど、
「従来の本の質感から離れた物体」として出してみるのも面白いかも思い、表紙にはヴィベールというフワフワした特殊用紙を巻いてみました。
すると、仕上がりは何とも質感が特殊で優しいノートになりました。ファイバーラッファーだけの本の状態だと削られ感が目立ちますが、表紙にヴィベールを巻くと一気にフワッと、まるで綿毛のようです。
そして表紙のフワフワ感と表面のボロボロ感で『ふわぼろノート』と命名されました。
そのままかも。
紙博ではたくさんの方が手に取り、お買い求めくださいました。ありがとうございました!
「ふわぼろノート」のストーリーの紹介でした。
また!
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