スコットランド 文房具店との出会い
ロンドンから移動して
イギリスの北スコットランドの首都エディンバラに滞在しています。
友人の紹介でエディンバラから電車で約1時間くらいの都市、
グラスゴーという街で日本の文房具を取り扱っているお店が
オープンした。と聞き、早速行ってみました。
*グラスゴーの街
ストリートの路地を少し入ったところに『えがく!』
という看板発見。
看板に日本語を使うなんて相当の日本びいきなはず。
Draw Art Store https://drawartstore.wordpress.com/
古い建物の中に入るとそこにはカフェやビンテージの服屋、
雑貨屋さんと並んで一つのテナントとしてその文具店はありました。
お店に入ると、、、
私たちが日々なんでもないものとして使っている
セロテープや消しゴム、鉛筆、ノートが洗練された形で販売されていました。
オーナーに挨拶をし、話しかけてみると、
日本の文房具のクオリティの高さについて熱く語り始めました。
文房具屋さん兼画材屋さん、という雰囲気のお店ですが
オーナーの日本の文具への愛情と尊敬の念を感じ、
印刷加工連のパンフレットを渡し、私の自己紹介をして
後日サンプルを持って再び会いに来ることを約束し
その日はエディンバラへ帰宅。
*こちらエディンバラの駅
そして、数日後。
メモパットをイチオシとして再びお邪魔すると、
私にとってはとてもイギリス人らしいのですが
さっそく「お茶はいかが?」と。
ふと、彼のデスクを見ると....
電気ケトルは無印。
お茶も「アールグレーとほうじ茶、どちらがいい?」と、
彼の生活の中に日本のテイストを感じます。
お店の開店前にお邪魔したのですが、オーナーの日本商品への
情熱の語りは続き、結局2時間近くお店にいた気がします。
ティーポットで用意したお茶をマグカップに注ぐのを忘れるくらいです。
その後、たいへん濃いアールグレーティーを頂きました。
「日本のスケッチブックは書いても裏に透けない、
透けたとしても気ならない程度のちょうど良い質の紙を使っている。
イギリス人は薄い紙=安い、厚い紙=高い、と思ってる
そうじゃないんだよね!」と紙に対するイギリス人の安易な考えの
ジレンマを話してくれました。
セロテープなども思い通りに切り取れたり、
絵を描く鉛筆も書き心地や自分の頭の中に想像したことを
スラスラとアウトプットすることができる、
というようなこと語ってくれました。
クレヨンも、鉛筆も、消しゴムも、カッターも
どれも日本国民が子供の頃にお世話になった商品ばかりです。
それがはるか海を超えてこんなに重宝がられると
自分の国なのにわけが分からなくなります。
オーナーに何がきっかけでそこまで日本の商品に惚れ込んだのかを聞くと、
デザインを専攻していた学生の時に日本の鉛筆(確か、トンボだったかな?)
を使ってみたところすごく使いやすくてそれから
日本の商品を探しては手に入れて使いこなしてきた結果だそうです。
でも、まだ一度も日本には来たことがないとか.....。
印刷加工連のメモパットを実際に触ってもらって紹介したところ、
ハーフカットの部分や微妙に斜めにカットされているところに
すぐ着目してくれました。
そして、いつも海外の方から言われるのが、
日本のチップボールの質の良さと美しさ。
イギリスではチップボールは芯材、ということでいろんな
紙が混ざった雑な紙とされているようです。
日本の文具マーケットはまだこれからイギリスで知られていくと思う。
輸送費などの問題もあるけれど、それだけの価値はある。
励みになるような言葉をたくさんいただきました。
日本のクオリティの高さは世界的にも認められていて、
私たち日本人も自覚しはじめているとは思います。
でもそれをどのように発信して、どのように行動に
移していけばいいのだろうか、、、。
オーナーとのミーティングが終わって
一人で呆然としてしまいました。
そう、私たち良い製品作れるって分かってるんだけど、
それでどうするのか?
それをどのように役立たせて、
結果的に経済に結びつけていったらいいのか?
*このお店の犬、マーシー。人懐っこくてすごく愛らしかった。
隣近所のお店にも一人で遊びに行ってみんなに可愛がられてました!
世界的にいい意味で
マイノリティーな感覚の持ち主の日本人。
私も日本人の一人としてその感覚がきっと入ってるはずです。
その部分をもっと掘り下げてアウトプットすることが
海外での仕事に繋がる第一歩、それが今後の課題なのか?
少し孤独感すら感じさせる美しい風景を眺めながら、
一人エディンバラの街へ電車で帰りました。
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