紙とペン、そして書き心地。篠原紙工からの新しい発信
7月は紙博、Tokyo Art Book Fairとイベントが続きました。
その後に開催されたインテリアライフスタイル 2019
に篠原紙工は江東区の企業が集まる
「江東区 ものづくり団地」
というブースで実はひっそりと参加していました。
篠原紙工と他5社で協力して作っている「印刷加工連」
の文具メモパッドを展示商品として出品。
私も大好きなメモパッド。
全ての工程を篠原紙工で製作しています。
今回は「印刷加工連」の名前をちょっと脇に置いて、
篠原紙工としてこのメモパットを少しカスタマイズしました。
「江東区ものづくり団地」のテーマは「体験する」
ノートで体験するって....何だろう?と考えた時、思いついたのは
「紙の書き心地」と「メモ1枚を気持ちよく切り取れる心地」
篠原社長と出展に関するアイデアを仕事の合間に話し合って
いたのですがあっさりとその案で決まり。
でも紙関係以外の人は紙の違いや書き心地を
「体験している」
と思えるのだろうか?
なんか地味な体験かも...
お客さんと話が盛り上がらなかったらどうしよう、
という不安も実はあったのですが
仕上がりを見ると思いのほか魅力ある製品になりました。
5種類の違う紙でメモパットを製作、
(以下全て紙の名前)
1. マーメイド
2. トモエリバー
3. OKハルクリーム
4. しらおい
5. ハーフエアー
展示会は3日間
初日から大忙し。
立て続けにお客さんがブースに立ち寄ってくださいました。
「紙が違うだけでこんなに書き心地って違うんですね、」
と驚いてくださった方がたくさんいて、
私が当初思っていた地味そうな体験?という心配は全く不要でした。
画用紙として使われるマーメイド、
手帳などに使われファンも多いトモエリバー、
書籍などにも使用されるOKハルクリーム、
メモやノートに使われる滑らかな書き心地のしらおい、
そして少し引っかかり感があるザラっとしたハーフエア、
*みんな遠慮して下の方に小さく書く方が多い中、一人ど真ん中にドラえもんを描いてくれた人も
また書くペンや鉛筆などによっても相性があったり、
お客さんそれぞれの紙の好みがあるのも非常に面白かったな。
まるで「紙」と「ペン」はお酒と食事のような関係のよう。
....ビールとカマンベールチーズを一緒に食べてまずいことはないけど
ビールにはピザ、
カマンベールチーズには赤ワイン、
の方がより良い、というような感じ?
書けないことはないけれど、
相性の合う物同士を使ったほうが使う人の
心が豊かになる。
人の心と紙とペンの関係。
考え始めると深いかも....。
紙の種類が違うだけで
自分の手で書いた時の心地や感じ方が違うなんて
手で物を書くって行為自体がなんだか尊いものに思えてきます。
この展示を通して篠原紙工という製本会社の紹介
印刷加工連の営業活動はもちろんできたのですが、
展示が終わって後で私の心に残ったことは
紙とペン、書く、という行為の魅力を新たな視点で
発見、発信していくことも
私たち製本会社にとって
一つ面白い役目になるのかもしれないと感じました。
*ある意味、とてもにマニアックな体験となったかも
みなさんのお気に入りの紙とペンはありますか?
デジタルの方も大勢いると思いますが、
自分のお気に入りのペンと紙を一つ持っておく、
または自分の好きな書き心地を知っておくというのは
私たちの五感を豊かにしてくれる一つの要素な気がします。T