「仕事」ということを考える時のヒント

 

 

『生き方研究室』という会について少し。

 

今年の夏から何度か不定期で開いている『生き方研究室』

生きる上で必ず考えるであろう、仕事のこと、人間関係のこと、健康、お金、
などなど、一つのテーマにフォーカスして少人数で話し合う会。

 

哲学とまではいかないけれど、

物事の本質を自分以外の人と話し合うことでより心を豊かにしようというのが目的です。

前回参加してくれた方々ありがとうございました。

 

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前回のテーマは「仕事とは?」

世の中的にも働き方が見直されていたりして、

ざっくりとでも「仕事」について話すのも良いかと思い選びました。

  

大半の人が仕事に対してネガティブな印象があるのではないでしょうか?

私も働き始めた頃仕事は、辛く、我慢しなくてはならない。

仕事とはそういうものなんだ、と思っていました。

 

しかし仕事が嫌だな、と思うたびに

友人のお父さんの言葉が頭の中に浮かぶのです。

その友人はお父さんから

『仕事は、辛いもんじゃないんだよ。良いことなんだよ』

と言われて育ったそうです。

 

なんとなくその言葉が20代の私の中にずーっと残っており、

 その言葉をヒントに仕事についてよく考えていました。

 

答えは出ず悩み続けていたのですが、

まずは仕事とはそもそも良いことなのだ、と単純に思い直してみたのです。

 

 

 

しかし、、、現実は厳しかったり、今思えば自分に合ってない仕事だったりで

嫌になったりすることもあったのですが、

その言葉がいつも思い浮かび、

心地よくないのは何か自分に原因があるのだ、

このかなりのポンコツ度合いを自分でも認め、

ずーっと自分と仕事との微調整と対話が続いていた気がします。

 

30代になってもその微調整は続きましたが、『仕事とは本来は良いことなのである』

という言葉はいつも忘れられませんでした。

 きっとそうなんだと思う。と信じたかったのです。

 

 

そんな中、ある本の中でこんな言葉に出会いました。

 

「仕事とは自分の能力や興味、価値観を表現することである。」

 

アメリカ人でキャリア研究者のドナルド E スーパーという方が残した言葉です。

 

 

自分の能力が生かされてない時、

その仕事が自分の興味の範囲とかけ離れている時、

自分の価値観とあまりにも違う環境にいる時、

人は仕事を苦痛と感じてしまう。

 

ということは、自分の能力、興味、価値観、これが自分で多少なりとも分かって

いないといつまでたっても負からは抜け出せないということです。

私たちは自分が何を望んでて、何が好きで、どんな価値観を持っているのか、

なんてことをきちんと考えることは日頃ほとんどないと思います。

それくらい意識してないと流されてしまう生き物なのです。

自分のことなのに自分が知らないなんて、変な話です。

 

 

『仕事とは表現をすることである。』

この意味は表現をするために仕事がある、とも考えられます。

 

仕事を通してどう自分を表現していくか、これが仕事だと思うと

今まで私たちが植えつけられていた「仕事=辛い」

というネガティブなイメージから解放される感じがしました。

言われたことだけをこなすことを労働、と考えるとその与えられた

労働に+αや自分の創意工夫、価値を付け足し表現することで それは

仕事、という言葉に変わるのかもしれません。

 

 

しかし、ドナルド氏の言葉を試すのは相当の勇気がいると思います。

 

そもそも表現することって恥ずかしいことです。

他人からはバカにされるかもしれない、怒られるかもしれないし、

失敗するかもしれないし、見放されるかもしれない、

挙げ句の果てには嫌われるかもしれないし、

そういうことはなるべく避けるように教育されてきた人が大半だと思います。

 

しかし、その今まで避けてきたそれらを受け入れる勇気がない限り

自分にとっての心地の良い仕事とは出会えないのかもしれません。

そして自分にとって心地の良い自分にも出会えないのかもしれません。

 

どれだけ自分の中の思い込みに気づき、前提を壊すかが前へ進む一歩

なのでしょう。

 

今まで通りの働き方が変わる時代がもう直ぐそばに来ています。

働く時間、場所、国籍、会社との関係、多様性がもっと高まる時代。

この言葉はきっと仕事で悩んで知る方々のヒントになると思います。T

 

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この研究室をチャレンジする際に興味を持って協力してくれた仲間がいます。

彼女のお菓子は真面目なのだけど決して(砂糖の甘さだけでなく、)

甘すぎない彼女の考えや好み、テイストがしっかり入っているのです。

お菓子を通して彼女を見るのが私は毎回楽しみなのです。

この日は私の好きなキャロットケーキ、そして1輪の黄色いカラーと共に会を開きました。

Thanks!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4Fes! 2018 トークイベントのご紹介

こんにちは。

11月17日(土)13:30(受付開始時間)〜19:00

今までとはちょっと違う、4Fes! を開催します。4Fes! TALK x TALK | Peatix

規模は小さいけれど、内容は濃い2つのトークイベントです。

ちょっと内容がマニアックなので、ブログで補足をしますね。

 

トーク① 14:00-16:00 「古の製本 今昔トーク!」

こちらはトークと題して公開取材です。

印刷、紙加工の専門誌『デザインの引き出し』で連載中の

「 古 (いにしえ) の製本に挑戦!」皆さんご存知でしょうか?

 

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*当日は今までの「古(いにしえ)の本」の展示も行なっています!

 

明治~昭和初期の造本は今見ると「どうやってつくっているんだろう…?」

と思うユニークな本が多かったようです。

この連載ではその頃の製本を今の技術でどう作るか、

そして、もしそれを大量生産する場合にはどう作るか?

という実験レポートの連載です。

 

篠原紙工では「古の本チーム」を組んで毎号、数ある造本の中から

1冊選び、頭と手そして想像力! を使いその選んだ本の復刻版と、

量産バージョンを作っています。

 

そして毎回製作が終わるとグラフィック社の方に取材をしてもらうのですが

その取材は本当にいつも楽しそうです。

さて、公開取材ということで、

この「4Fes!TALK xTALK」で話した事が次号の記事になるわけですが、

 

次号の内容は、その明治〜昭和初期 当時の中でも特に奇想天外な本を作っていた

斎藤昌三の「新富町多輿里」という本を篠原紙工の技術で再現します。

おそらく…トークのキーワードは「紙型」になるのではないでしょうか。

さて紙型って一体なんでしょう…。お楽しみに!

 

このトーク①では「古の製本に挑戦!」の連載内容をしっかりと

知ることができるほか、昔は手作業で作っていた造本が機械を使った

量産になるとどう変化するのか、そして工場で機械を使って物を作るって

裏でどういう制約があって工場で働く人のどんな創意工夫がされているのか?

という事を垣間見ることができます。

 

ゲストは2人。

『デザインの引き出し』の編集長 津田淳子さんと

毎号「古の製本に挑戦!」の記事を書いてくださっている

ライターの杉瀬由希さん。

そして、篠原紙工からは古の本チームのメンバーである

新島龍彦と増渕みづ紀の2人がトークに参加します。

 

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16:00~17:00「古の製本 海苔本ができるまで」

そして次のトーク②が始まるまでの1時間は過去に製作した

「古の製本」の中でも特にびっくりな素材を使った本、

「海苔本(のりほん)」 の作り方を工場で実演。

海苔は食べる海苔!ですよ。

篠原紙工の古の本チームはどのようにその古本を読み解き、

形にし、そして機械で量産可能な工夫をしたのでしょうか?

今回はその場で海苔本を作り、できたその本は(数は限られますが…)

販売もするのでぜひとも本好きの方は一つ所蔵してみてはいかがでしょうか?

  

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トーク② 17:00~19:00「本をめで隊スペシャル!~紙を選ぶ~」

こちらは4Fのイベントの中でも地味に長く続いている小さなイベント。

毎回、何かしら紙にまつわるテーマを出して

マニアックな切り口で話し合う場です。

 

今回のテーマは、「紙を選ぶ」

製本、印刷、デザイン、その他紙にまつわるお仕事の方々は

多種多様なあの紙の見本帳の中からどうやって適切な紙を選んでいるのでしょう?

同じ紙関係の仕事でもそれぞれのポジションで選ぶ特徴があるかもしれませんね。

しかし最終的にはその選ぶ方の感覚、思考だと思います。

 

トークでは篠原紙工の篠原慶丞と3人のゲストを中心に

彼らの紙を選ぶときの頭の中を見せていただきます。

お客さんもトークに参加できますので自分はどうやって選んでいるだろう…?

と考えておくとより一層楽しいイベントになりますよ!

<ゲスト>

小熊千佳子(アートディレクター・グラフィックデザイナー)

西谷浩太郎(平和紙業株式会社・東京販売促進部)

岩瀬学(図書印刷株式会社・製本コンシェルジュ

ゲスト3名とFactory 4F(篠原紙工) 篠原慶丞の計4名のトーク

 

選ぶ...。

紙に限らず、私たちは何を軸に日々「選択」をしているのでしょうか?

4Fes!のイベントが着々と進んでいる中、そんなことを考えました。T

 

◎今回は前払い予約制です。

ちょっと時間が長いイベント?と感じるかもしれませんが

当日、入退場は自由なのでお気軽に考えてお越し下さい!

お申し込み↓

4fes-talktalk.peatix.com

 

 

 

 

 

スコットランド 文房具店との出会い

 

ロンドンから移動して

イギリスの北スコットランドの首都エディンバラに滞在しています。

 

友人の紹介でエディンバラから電車で約1時間くらいの都市、

グラスゴーという街で日本の文房具を取り扱っているお店が

オープンした。と聞き、早速行ってみました。

 

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*グラスゴーの街

 

ストリートの路地を少し入ったところに『えがく!』

という看板発見。

看板に日本語を使うなんて相当の日本びいきなはず。

 

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Draw Art Store  https://drawartstore.wordpress.com/

 

古い建物の中に入るとそこにはカフェやビンテージの服屋、

雑貨屋さんと並んで一つのテナントとしてその文具店はありました。

 

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お店に入ると、、、

私たちが日々なんでもないものとして使っている

セロテープや消しゴム、鉛筆、ノートが洗練された形で販売されていました。

 

 

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オーナーに挨拶をし、話しかけてみると、

日本の文房具のクオリティの高さについて熱く語り始めました。

文房具屋さん兼画材屋さん、という雰囲気のお店ですが

オーナーの日本の文具への愛情と尊敬の念を感じ、

印刷加工連のパンフレットを渡し、私の自己紹介をして

後日サンプルを持って再び会いに来ることを約束し

その日はエディンバラへ帰宅。

 

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 *こちらエディンバラの駅

 

そして、数日後。

メモパットをイチオシとして再びお邪魔すると、

私にとってはとてもイギリス人らしいのですが

さっそく「お茶はいかが?」と。

ふと、彼のデスクを見ると....

電気ケトルは無印。

お茶も「アールグレーとほうじ茶、どちらがいい?」と、

彼の生活の中に日本のテイストを感じます。

 

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お店の開店前にお邪魔したのですが、オーナーの日本商品への

情熱の語りは続き、結局2時間近くお店にいた気がします。

ティーポットで用意したお茶をマグカップに注ぐのを忘れるくらいです。

その後、たいへん濃いアールグレーティーを頂きました。

 

 

「日本のスケッチブックは書いても裏に透けない、

透けたとしても気ならない程度のちょうど良い質の紙を使っている。

イギリス人は薄い紙=安い、厚い紙=高い、と思ってる

そうじゃないんだよね!」と紙に対するイギリス人の安易な考えの

ジレンマを話してくれました。

 

セロテープなども思い通りに切り取れたり、

絵を描く鉛筆も書き心地や自分の頭の中に想像したことを

スラスラとアウトプットすることができる、

というようなこと語ってくれました。

 

クレヨンも、鉛筆も、消しゴムも、カッターも

どれも日本国民が子供の頃にお世話になった商品ばかりです。

 

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それがはるか海を超えてこんなに重宝がられると

自分の国なのにわけが分からなくなります。

 

オーナーに何がきっかけでそこまで日本の商品に惚れ込んだのかを聞くと、

デザインを専攻していた学生の時に日本の鉛筆(確か、トンボだったかな?)

を使ってみたところすごく使いやすくてそれから

日本の商品を探しては手に入れて使いこなしてきた結果だそうです。

でも、まだ一度も日本には来たことがないとか.....。

 

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印刷加工連のメモパットを実際に触ってもらって紹介したところ、

ハーフカットの部分や微妙に斜めにカットされているところに

すぐ着目してくれました。

そして、いつも海外の方から言われるのが、

日本のチップボールの質の良さと美しさ。

イギリスではチップボールは芯材、ということでいろんな

紙が混ざった雑な紙とされているようです。

 

 

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日本の文具マーケットはまだこれからイギリスで知られていくと思う。

輸送費などの問題もあるけれど、それだけの価値はある。

励みになるような言葉をたくさんいただきました。

 

日本のクオリティの高さは世界的にも認められていて、

私たち日本人も自覚しはじめているとは思います。

でもそれをどのように発信して、どのように行動に

移していけばいいのだろうか、、、。

オーナーとのミーティングが終わって

一人で呆然としてしまいました。

そう、私たち良い製品作れるって分かってるんだけど、

それでどうするのか?

それをどのように役立たせて、

結果的に経済に結びつけていったらいいのか?

 

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*このお店の犬、マーシー。人懐っこくてすごく愛らしかった。

隣近所のお店にも一人で遊びに行ってみんなに可愛がられてました! 

 

 

世界的にいい意味で

マイノリティーな感覚の持ち主の日本人。

私も日本人の一人としてその感覚がきっと入ってるはずです。

その部分をもっと掘り下げてアウトプットすることが

海外での仕事に繋がる第一歩、それが今後の課題なのか?

 

少し孤独感すら感じさせる美しい風景を眺めながら、

一人エディンバラの街へ電車で帰りました。

T

 

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今年もイギリスより、こんにちは

 

4F のブログですが、私が印刷加工連の海外窓口の担当をしているので

ここで少し紹介させていただきます。

 

今、イギリスにいます。

ロンドンでは印刷加工連の文具を置いてくれているお店 Present & Correct

を訪ねるのも一つの目的で、プライベートですが仕事の要素も

混ぜてこの夏もイギリスに滞在しています。

  
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お店は ロンドンのAngel という駅から歩いて約8分くらい。

ちょっとメインから離れた静かなストリートにあります。

 

去年訪ねた際にはオーナーには会えなかったのですが、

今年はついに会うことができました。

お互い改めて挨拶をしお話をしたのですが

「新しい製品は作らないの?」と印刷加工連に少し期待して

くれているような?言葉も聞けて、

良い関係をこれからも築いていきたいなと思いました。

 

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これだけ世界に物が飛びかっているので

日本製の物を外国で見てもあまり何とも思いませんが、

自分の工場で作られている製品となると受け取り方も違います。

 

ななめリングノートのシリーズ、

今年もきちんとお店の棚に佇んでいました。

 

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ありがたいことにコンスタントに売れていると。

価格はそれなりにしていましたが、

Present & Correctのブランド力で売れているのだと思います。

そしてお店は9年近くも続いているのだとか。

 きっとオーナーであるニール氏のセンスに心動かされている

人が多いのでしょう。

 

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ちょっと話は変わりますが今年の9月に

印刷加工連は Top Drawerというロンドンで開かれる

クラフト見本市に参加することになりました。https://www.topdrawer.co.uk/

 

自分たちの文具がどのように受け入れられるのか、

文具を通して何が伝えられるのか、

そもそも、印刷加工連をもっと「仕事」として考えた時に人々に

何を提供できるのだろうか、

どんな幸せを与えることができるのだろうか?

 

ありがたいことに見本市の開催国イギリスで

貴重な考える時間をいただいています。

 

この見本市では印刷加工連の仕事が

海外から客観的に見れるチャンスな気がします。

 T

 

ここ最近のファクトリーツアー

 

 

ファクトリーツアーのことについて。

先日、久しぶりに私がお客様を工場案内しました。

 

水曜日のファクトリーツアーを案内するのは

もしかすると2年ぶりくらいかもしれません。

 

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*学生さん、会社勤めの方など様々計5名でのファクトリーツアー

 

久々のファクトリーツアーを行なうにあたり

事前に色々考えていたのですが、

 

 

ここ最近の篠原紙工を考えると、

今まで通りのファクトリーツアーでは

会社のことが伝わらないような気がして、

お伝えする内容をがらりと変えてみました。

 

今までは4F BOXを中心に特殊な折り加工や

製本方法をサンプルとともに紹介していたのですが、

 

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*今まで紹介していた商業冊子

 

 

今の篠原紙工は製本技術を他の分野に使い始めており、

だいぶ方向性が変わってきたので

そのことをお客さんに紹介してみることにしました。

 

もちろん、ユニークな折り加工のFactory 4F BOX の

紹介から始まりますが、

 

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* Factory 4F を代表する紙加工サンプルセットの 4F BOX

 

 

その後は電子書籍

ペーパージュエリー、

そして印刷加工連の文具。

 

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*電子書籍、「北斗の拳」が全巻この中に入ってます

 

今まで紹介していた商業冊子やチラシは少しお休みして、

篠原紙工という会社が行なっている新しい

取り組みにフォーカスを当てた感じの案内をしました。

 

 

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*ペーパージュエリーの「ikue」http://ikue.work/

 

現場ではもちろん商業冊子の折りや綴じを

している工程も見れるのでそこで

日常の仕事を紹介しつつ、

 

オフィスのある4Fでお話しする際は私たちがどんな会社で、

どんな考えで新しいことに挑戦しているかを話してみました。

 

 

お客さんが篠原紙工に対してどのような印象を受けたのか、

数時間のファクトリーツアーではそこまでお話できませんが、

 

ファクトリーツアーが終わっても4Fの中を見て回ったり、

いくつかの商品も購入してくださり、

最後には『楽しかった!』と皆さん笑顔でおっしゃって

くださったので良かったのかな...?

と思います。

 

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*工場直売、印刷加工連

 

お客様に自社のことを話していて

会社の方向性を改めて自分に言い聞かせていているような気がしました。

 

どんな会社になっていくのか、

どうしたいのか、

そしてその方向性に向かうにあたって

自分は何ができるのか、

お客さんにお話しをしながら自分に問いをかけているような

そんな久々のファクトリーツアーでした。T

 

 

 

今年はやめよう。梅シロップ。

 

2015年くらいからかな?

なんどもこのブログにも書いてるのですが、

私は会社では梅酒をつけたり、梅シロップを作っています。

 

 

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よく一緒に仕事をしているAllrightさん達が梅酒やシロップや梅干しまで!

作っているのに影響されて始めました。

心動かされちゃっかりマネしました。

 

  

 

Factory 4Fの場合は梅酒による社員交流がメインで始めました。

当時は梅酒好きな方も多かったし。

 

 

 

それから数年....。

会社内の人数も減り、

 

 

今年は昨年の梅酒もシロップも残ってるし、

作るのをもうやめよう。と決めました。

 

 

 

なので昨年作った梅シロップを社内に置いて

『各自ご自由にどうぞ』としたら、

 

あっという間になくなりかけていました。

そして暑い日には打ち合わせに来るお客さんに

(手作りとか何も言わず)出したら

帰る際に「これ美味しいですねー」と何度か声をかけられ、

 

 

単純に嬉しく、また作ろうかな....。

と心動かされてしまいました。

 

それはいいのですが、、、

 

 

時期は6月末。

私の記憶だと、

近所のスーパーからはそろそろ梅がなくなります。

悩んでる暇はありません。作るならさっさとやらねば。

 

 

 焦ってその日の仕事帰りにスーパーに駆け込むと

少し黄色くなっていましたが幸いにも青梅を発見。

ひと安心。

 

 

 

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翌日は土曜日。

朝一で会社に来て、黙々と梅のヘタを取り、

梅シロップを作り始めました。

 

 

旬なものって本当にあっという間です。

『まぁいいや、また後で、』なんてしてたら、

あっ!という間に

梅のシーズンは終わってしまいます。

 

 

これって自分の場合だと、

あれをやろう、これはやめよう、

と次々と思考は巡るもののいつの間にか

 

 

『まぁ、いいや、今後で、』

で結局やらない。

やめられない。

 

 

私はいわゆる旬な時(思い立った時)

をたくさん逃しているんだろうな....。

 

 

なんだか今年の梅シロップ作りは教訓めいたことを

遠回しに教えてるような気がしました。

 

思ったら即行動でやった方が、後から得られる

報酬はたくさんあるのに、なんでこうも人は(私は)

行動に移せないのだろうか?

 

 

シーンと静まる朝の工場。

梅と対話しながら? そんなことを考えてました。

 

 

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すると、会社で一番若い女性の社員が出勤してきました。

この日は工場だけは仕事が入っていました。

 

まさか朝一誰かが梅仕事してるなんて思いもしないでしょう。

『...おはようございます。誰がいるのかな...?と思いました。』 

 

 

実は、私がやっぱり『今年も梅シロップを作ろう。』

と決心させたのはその彼女が瓶から梅を取り出して

おいしそうに食べていたから。

 

その姿が私にはとても可愛らしく見えて。

 

 

『他者が喜んでくれるから』

 

というのは人(私)を即座に動かすようです。

T

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手を動かす製本ワークショップ in 多摩美

 

製本屋のワークショップ

 

ディスカッションの次は

手を動かす製本ワークショップ。

 今までの経緯はこちら

No.2 本について。話し合う/多摩美術大学 - 4F Blog

No.1  製本会社だけど、手を動かさない思考のワークショップ (多摩美術大学) - 4F Blog

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やっと製本屋らしく、

篠原紙工の新島龍彦氏Tatsuhiko Niijima Portforio

のアイデアで授業が進められました。

 

前半は基本を学習。

白い紙で、

 

ジャバラ綴じ

冊子綴じ

三つ目綴じ

3種類の基本の綴じ方を行ないました。

 

そして後半は応用編。

5枚配られた紙を

 

•1度だけ折る

• ハサミやカッターで切るという加工を入れる

 

この条件をもとに各自、同じ折り、同じ切り方

をしたものを計5枚分作ってもらいました。

 

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そしてここからはちょっとサプライズで

学生さんには事前に伝えてません。

 

同じ机の人同士でその折って切った紙を

交換します。

 

なので自分の手元には1枚は自分で折って切った紙、

その他4枚は同じ机で一緒になった他4名が

折って切った紙が手元にきます。

 

それを前半に習った綴じ方を応用して繋ぎ合わせ、

本を作る。というワークショップです。

 

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5枚の紙を綴じ合わせる際に、自分の「なんか好き」という感覚

を中心に制作してほしい、と新島氏。

 

紙と紙を重ね合わせた時の色の配色感がいい

この開いた時のこの角度から見るとイイ

開く前と開いた後の違いが好き

右ページと左ページのこのシンメトリーが好き、

などなど...

 

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そういう部分を意識して作ってみてくださいと伝えました。

まさにパーソナルな「好き」という感覚を

押し出す授業です。

 

皆さん黙々と、切る作業ではまるで切り絵のように丁寧にしている

学生さんもいました。

 

講評の時は自分の作った本を他の学生さんにどこが良いと思って

作ったかを当ててもらうような形にしました。

皆さん頭も心もフル回転で講評をしてくださいました。

 

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*学生の作品①

 

この

 

「なんとなく好き」

 

って感覚に注目したいのですが。

 

意外と自分の「なんとなく好き」って

自覚しにくいのではないでしょうか?

 

(惰性ではなく)知らず知らずに選んでるモノ、

色、気分が良くなること、

心地良いから、好きだから

選んでいることに気づいていないという感覚。

 

それは日々の忙しさだったり、考えるチャンスがなかったり、と

理由は色々あるとは思います。

 

 

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*学生の作品② 

 

でもこの

 

「なんとなく好き」って、非常に大事な感覚で、

 

日々の「なんとなく好き」の感覚をキャッチして積み重ねていけば

自分が今後やりたいことさえも見つかる気がします。

 

「なんとなく好き」から始まり、考えて、調べて、

行動していけば、やってみたい

ことにも繋がり、学生であれば、

自分の表現方法や作品の方向性も決まるのではないでしょうか。

 

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*学生作品③

 

学生でなくとも、社会人でも自分の本当にやりたいこと

を見つける時にはこの日々の「なんとなく好き」がヒント

になるのだと思います。

 

ワークショップを担当した新島氏も

紙が好き、本が好き、という

感覚を信じて今に至るというような内容を

学生さん達に最後話していたのが印象的でした。

 

 

私自身も今まで、結局なんとなく「好き」だとか「良い気がする」

というものすごく曖昧な感覚を頼りにしてきましたが、

今のところそれに従ってきた道は間違っていない気がします。

 

 

時々、先の不安や、このままで自分は良いのだろうか?

というループにはまる時がありますが、そういう時こそ

自分の立ち位置の点検時期として、自分が好きなこと、

気分が良くなること、気になることに注目して、小さな

チャレンジを日々しています。

 

2週に続けて行なった多摩美でのワークショップ。

学生さん達の最終的な作品提出で何か変化が表れる

と嬉しいです。T