紙の質感、私たちの五感を使う手製本ワークショップ
先週の日曜日、手製本の基本のきほんワークショップを行いました。
こちらのワークショップ、仕上がりが華やかなものができるというわけではないのですが今後製本を『自分で』やってみよう、と思う方の入門としてはピッタリではないかと思っています。
豆本といってもFactory 4Fで作るのは小さな紙を折ってのり付けするだけ。
しかしその内容は冊子本タイプ、のり綴じタイプ、ジャバラ、と同じ種類の紙、同じサイズからでも多様な本ができるということの意味が含まれています。よく考えれば当たり前かもしれませんが、今一度立ち止まって本の作り方について考えられる内容です。
そして豆本以外にも厚みが違う紙で本を2冊ほど作ります。こちらの内容の目的は厚みが違うことによってページのめくり感だったり、触ったときの手の感触だったり、はたまた本の全体像への影響だったり、という違いを知ることです。(良い写真が無くてゴメンナサイ)
私たちが書店で手にする普通の本はあくまでも作る側、売る側のチョイスで全て出来ており、読み手である消費者はそれを受け取る(買う)だけですが、気に入ってる書籍をOO紙(紙の銘柄/OOkg)で印刷されているのが欲しいなぁ~、なんてことを考えるようになったら本物の紙好き。将来、紙の本の良さが感覚、感触、嗜好品的に重点を置かれた場合、そういうオーダーメイドが主流になるのでしょうか。
*左が冊子本、右はのり綴じ (雑でゴメンナサイ)
同じ内容の本でも印刷されている紙によって本という『物体』の印象は変わるでしょう。
しかし、ふと考えました。紙の種類が違うと書いてある内容が同じであっても読み手の受け取り方に影響があったりするのでしょうか?内容と本の物体とそれを五感で感じる私たちに何かしらの関係はあるのか?別の話になってしまいそうですが、そんなことも想像します。
ワークショップでは紙を切る工程は含まれていないので講師担当の新島さんが前もって断裁機で紙を用意してくれていたのですが、紙にズレは無く….キレイに二つ折りができました。このちょっとしたズレが仕上がりの本に影響が出るのでやはり製本作業にも向き不向きはあるかもしれない…。
私は学生時代に製本に出会い、自分のできる範囲で作っていましたが私の場合は綿密に美しく仕上げる、というより表現とコンセプトが重要だったのでそこまで神経質に製本をしていませんでしたが、どうせ作るのなら美しく、効率よく仕上がる方がいい。あの当時このワークショップに参加していたらもっと気軽にもっと製本を身近に感じながら作ることができただろうなぁ、なんて思いました。
この日のお客様はFactory 4Fに初めての方と何度か来たことがある方合わせて7名、とても穏やかな時間でした。失敗する人がいるわけでもなく、黙々と手作業が進められました。
手作業だけでなく、紙には目があることの説明や手製本が体験できる他の場所、書籍のおススメなども内容に含まれていて最後はお茶を飲みながらの時間。皆さんも打ち解けてきて色々な声が上がりました。私たちはお茶の時間を結構大事にしているのですが、今後、お茶の時間にもっと工夫できることはなんだろう?
限られた条件で見た目にも味にも全てをパーフェクトにできているわけではないのですがその分、相手を喜ばす時間をもっと充実させたいなと思っています。
☆Factory4F タブチ http://factory4f.com/