London で製本を体験するなら ぜひこちらへ

ロンドンに London Centre for Book Artsという製本や印刷に関することが学べるスペースがあります。

ワークショップ、製作スペースや機材の貸し出し、自費出版の相談など、個人で活動しているアーティストには心強い場所です。


ロンドン中心地からちょっと離れていたため、タクシーで向かったのですが慣れていないとちょっと行きづらいと感じた場所でした。

こんなところにクリエイティブスペースがあるのだろうかという雰囲気の中ウロウロしていると華やかな緑の壁と黄色のドア、そしてピンクの看板を発見。

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日本から事前にメールをしたことを伝えると、オーナーの Iraさんが気さくに対応してくれました。イギリスらしく紅茶のおもてなしで始まりましたが、東京の製本会社であることを伝えるとお互いに話が通じ合い、お茶を置き去りにしてさっそく館内を案内してもらいました。

この日は出版会社の人たち向けに活版印刷機のワークショップが行われていて、人が賑わっていました。一方ではワークスペースで黙々と作業をしている方もいて、分からないことがあるとスタッフが駆けつけ、アドバイスをしていて物を作る活気にあふれていました。

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紙見本やクロス見本など、私たち篠原紙工にも馴染みのある物がちらほら、その中には日本の製品もあり、親近感がわきました。
「日本のはクオリティー高いけど、その分値段も高いけどね。」と笑いながらもう一人のオーナーSimonさん。

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館内は心地よい広さで、機材も様々なのですが、一貫しているのは古い機材と道具がほとんど。説明をしてくれたSimonさんはとにかく古い物をこよなく愛しているようで、
「古い物は壊れても直せるし、その物に歴史があると思うと手放すことはできない。
それに美しいよね。」と。


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唯一、今っぽい機械と言えば....日本のRISOコピー機でイギリス国内でもとても人気があるそう。

ワークスペースで個人製作している人とも話す機会があったのですがその女性はとても特殊な手製本を作っていて、篠原も構造を理解するのに時間がかかるくらいでした。

私は横目で見ながら手製本もまだ知らない技法が数多くあるのだろうと思いました。
彼女の作っていた技法のオリジナルはアメリカ人作家が生み出したものだそうです。

 

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世界の手製本の本はだいたい英語訳はあっても日本語はないでしょうし、世界の手製本の本をもっと読み込めば新たに面白い手製本も生まれるかもしれません。オリジナルにカスタマイズをするのが得意な日本人なら新たな本も作れてしまいそうです。

 

手製本にまつわる道具や文房具も売っていましたが、こういう日常で活躍するカッターや糊、定規などは古い物云々でなく日本のクオリティーにお任せ、という感じで嬉しかったです。

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オーナーのお二人はここ以外にも学校などでも製本を教えているようですが、製本や印刷という分野だけでこんな素敵なスペースが作れるということは、やっぱりロンドンではそれなりに個人で製作活動などをする人が多い、ということなのでしょうか。

アートなど個を表現し発信することに価値を重視する国だけに、思い立ったらすぐ自分のやりたいことができる環境があるのは理解できますね。

 

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*空間のどこを見ても古いものと汚れが上手く調和されているのです。
これは即席に出せる雰囲気ではない...

ZINEなどの少部数の出版物なども販売していて、本や印刷物が好きな人にはたまらない創造性が溢れる場所です。

クオリティーも大事だけれどそれよりも表現したいことを具体的に行動することの方が大事だということを改めて思い直しました。

これからロンドンに行く製本好きな人にはぜひオススメの場所です。T